コラム
麻生氏「年金受給記憶ない」発言が物議 共産党・小池氏のでたらめな批判内容:専門家のイロメガネ(3/7 ページ)
老後資金は2000万円不足する……問題の議論の過程で、年金に関する勘違いを助長する話が出ている。日本共産党の小池昇氏のツイートを見ると、同氏も年金を理解していない。小池氏の勘違いは社会保障制度の誤解を招く可能性がある。
所得が多いと厚生年金はもらえない
麻生氏の経歴を見ると、政治家になる前は実家が経営する麻生産業(現在の麻生セメント)で働いていたことが分かる。その頃は厚生年金に加入していたことはおそらく間違いないだろう。そして年金の繰り下げといって、遅くもらい始めれば支給額が増える仕組みがある。1カ月で0.7%の増加、最大で5年間繰り下げると42%増える仕組みだ。
麻生氏は昭和15年生まれで60歳から年金がもらえる。最大限に繰り下げをしても65歳から受給開始のはず、だから保険料未納でもない限りもらっているはず、それを把握していないとは何事か、というのが小池氏のツイートだ。一見すると間違っていないように見える。しかし、これは大きな勘違いを含んでいる。
一定の所得があると年金が減らされる、あるいはもらえなくなるという仕組みがある。これを「在職老齢年金」という。
64歳までは、月額収入が28万円以下ならば全額支給、それ以上に収入が増えると徐々に年金が減り、47万円を越えると厚生年金の支給は停止される。
65歳以降は47万円以下ならば全額支給、それ以上ならば一定額が減らされ、そして年金の支給額と収入次第で支給停止になる。
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