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麻生氏「年金受給記憶ない」発言が物議 共産党・小池氏のでたらめな批判内容専門家のイロメガネ(4/7 ページ)

老後資金は2000万円不足する……問題の議論の過程で、年金に関する勘違いを助長する話が出ている。日本共産党の小池昇氏のツイートを見ると、同氏も年金を理解していない。小池氏の勘違いは社会保障制度の誤解を招く可能性がある。

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 日本年金機構のWebページでは、わざわざ議員向けに、「議員として報酬を得ていると厚生年金が減るか支給されない」という案内まである。支給停止の目安として、1カ月あたり20万円とかなり高額の厚生年金でも、65歳以上で1カ月あたりの報酬が66万円以上だと支給停止になるとある(ただし制度変更に伴う緩和措置もあり)。

 在職老齢年金は高齢者の動労意欲を減退させてしまうため、人手不足の現在、制度廃止の検討中と報じられている。もちろん、現状では収入があると年金が減る場合がある。議論の真っただ中である在職老齢年金について、与野党の議員ともに理解していないことにはあきれるほかない。

 もちろんこれは小池氏だけではなく麻生氏も全く理解していないことになる。自身の収入を考えれば厚生年金をもらっていないことは確認するまでもなく、双方とも年金制度を理解していない点ではどちらも同じだ。

減額・支給停止の計算式は日本年金機構のWebサイトを参照

「60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法」

「65歳以後の在職老齢年金の計算方法」

 麻生氏の収入は国会議員以外にもあるようなので、収入の高さを考えれば、何か公になっていない特殊な事情でもない限り、この制度によって厚生年金はもらっていないだろう。

 厚生年金とは別に、国会議員年金は2006年に廃止されたが、廃止時点で受給資格があった議員は15%減額でもらえることになっている。麻生氏もこれに該当すると思われるが、支給開始は退職後なので受け取っていないはずだ。

 在職老齢年金はあくまで厚生年金の話となる。したがって、麻生氏がもらっているとしても国民年金部分のみではないか。

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