30周年のアサヒビール本社 異彩を放つビルはなぜできた?:ビール2億本分の“巨大ジョッキ”(3/4 ページ)
東京・隅田川のほとりに建つ、ビールジョッキの形をした「アサヒグループ本社ビル」と、巨大なオブジェが載った「ホール棟」。創業100周年記念として建設されてから30年。今もランドマークとして親しまれている。この目立つビルに込められた意味とは?
全長44メートルの「巨大オブジェ」が表す意味
ホール棟に載っている金色の特徴的なオブジェは「フラムドール(金の炎)」といい、「新世紀に向かって飛躍するアサヒビールの燃える心の炎」を表現している。オブジェの長さは約44メートルで、360トンもの鋼材を使用している。オブジェが載っている4階建てのホール棟は「聖火台」を模しているという。内装も含めて、フランスのデザイナー、フィリップ・スタルク氏が建物全体をデザインした。建設当時、まさに会社が躍進を始めたころであることから、このオブジェには、社員の「燃える心」が形として表れているようだ。
本社ビルに話を戻すと、当時の資料では、最先端の設備を備えた「インテリジェントビル」であると強調されていた。「IDカードの導入」「集中管理システム」「会議室予約システム」など今では当たり前の設備もあれば、「電話機による在・不在表示」「端末機(ワークステーション)は社員2.5人に1台の割合で設置」など、時代を感じる記述もある。また、1階のエントランスホールには広々としたロビーを設けており、この場所で無料の「ロビーコンサート」を定期的に開催していたという。
旧吾妻橋工場の跡地に建てられたのは、この2つのビルだけではない。本社ビル建設は、アサヒビール、墨田区、住宅・都市整備公団が一体となって進めた再開発プロジェクト「リバーピア吾妻橋」の一環という位置付けだった。本社ビルの隣に、墨田区庁舎と高層マンションが建っているのはそのためだ。当時の資料を見ると、山の手文化に対する位置付けとして、「“川の手文化”の拠点になる」という表現があった。
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