人手不足に悩む飲食業界は「効率化」で“味気なく”なるのか?:続々進む「無人」と「省人」 気になるお店の狙いを探る(3/4 ページ)
人手不足に悩む飲食業界。帝国データバンクの発表によると、非正社員の不足度数は全業種で最多だ。こうした状況をテクノロジーの導入で解決しようとする店は少なくない。しかし、テクノロジーの導入によって効率化が進むと、食事は「味気なく」ならないのか?「無人・省人」特集の第2回として、飲食店にフォーカスを当てる。
単なる「人減らし」ではない
テーブルオーダーの効果は単なる「人減らし」にとどまらない。Super Duper(東京都港区)が提供している「Satisfood」は、店舗の効率化とともに、「食べる側の体験価値向上」というコンセプトで作られた。また、特にインバウンド向けに注力している。
外国人は、訪日に際してメイン料理の情報を仕入れているが、その他の情報が不足しがちなため、一般の日本人客よりも客単価が低くなりがちなのだという。さらに、接客するスタッフも、外国人に対しては言葉の壁などがあり尻込みすることも多い。
Satisfoodでは、外国語に対応しているだけでなく、人工知能を基にチャットを通じたレコメンド機能も備えている。さらに、注文だけでなく食べ方も紹介できるため、スタッフの外国語教育にかかるコストを下げながら、外国人観光客の満足度を向上させることができるという。
スタッフがかかわらずテクノロジーに移管することで、逆に満足度を向上させていることになる。同社の鈴木知行社長は、「今のマーケットでは『オーダー』と『決済』の摩擦を減らすサービスがあふれている」とした上で、摩擦を減らすだけでは「中食」と外食との境界があいまいになることに危機感を覚えているという。だからこそ、摩擦を減らしつつ高い体験価値を付加できるようなSatisfoodが生み出された。
19年に開催されたラグビーワールドカップの追い風も受けて、19年3月の開始以降、現在は500店舗超に導入。最大で30%ほど売り上げを改善した店舗もあるという。
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