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星野リゾート星野佳路代表が語る「コロナでリストラしてはいけない」納得理由――“近場旅行”のニーズを掘り起こし「生き残る」:「近づけない、集めない」時代を生き抜く、企業の知恵(4/4 ページ)
旅行ビジネスの厳しい情勢が続く中で、現状の生き残り策とコロナ禍後の日本の観光戦略はどうあるべきなのか――。星野リゾートの星野佳路代表に聞いた。
フラットな会社組織という武器
以上がインタビュー内容だ。星野代表の歯切れの良さが何より印象的だった。星野代表は4代目に当たり、先代からホテル経営を引き継いだころは世に名前も知られてない軽井沢にある小さな旅館だった。だが、いくつかの経済危機のたびに破綻しかけたホテルの運営を任された。その再生手腕が評価され、それをバネに成長してきた。今では45もの施設を運営するまでになった星野リゾートは、フラットな会社組織という形態を武器にして、古い体質が残る日本の旅行業界に新風を吹き込もうとしている。
星野代表が繰り返し主張する「マイクロツーリズム」は、当面インバウンド需要が見込めない中での取り組みとして奏功しており、目の付け所はさすがだ。一方で、これまで団体旅行を収入の柱にしてきた旅館やホテルも少なくない。今後のアフターコロナ時代を見通すと、今まで以上に少人数による旅行が中心となってくることが予想される。
その際に、キャンペーンなどを利用して1度は近場のスポットを訪問するだろうが、問題はこれが1回きりで終わってしまっては代表が指摘するような「下支え」にならないことだ。いかにリピーターを増やせるか。飽きさせず2回目以降の旅につなげるために、どう工夫をするのか。受け入れるホテル側には今まで以上にきめ細やかな営業努力が不可欠となる。
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