すごろくから、ポケモンGOへ? コロナ禍でオンライン化が進む社内研修の今:「総務」から会社を変える(2/4 ページ)
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。コロナ禍により従来式の研修がオンライン化しつつある今、総務の現場からはどのような声が挙がってきているのだろうか。調査のデータを基に解説していく
オンライン研修が成功した理由
対面からオンラインに切り替えて実施した研修は成功したと思うか尋ねたところ、「はい」が77.1%、「いいえ」が22.9%という結果になった。「はい」と回答した人へ、その理由も尋ねたところ、「参加者が増えた」「参加者の反応がよかった」などの他、「研修先までの移動時間、費用が不要になった」など、やはり、場所と時間を超えられるという意見が上がった。
対面よりオンラインの方が、その場の雰囲気に流されずに、むしろ発言しやすいという意見はよく聞くところ。オンラインのメリットをより良く理解していくと、むしろリアルより効果を上げられる点も考えられる。
また、ブレイクアウトセッション(オンライン上で小グループに分かれてトークする機能)などを活用することにより、オンラインならではの効果を出しているところもあり、今後は、総務側のITリテラシーにより、効果的な研修をできるかどうかが大きく分かれてくることだろう。
オンライン研修が成功しなかった理由
一方、オンライン研修が成功しなかったと回答した人に対してその理由を聞いたところ、「担当部署が、講義内容、講師、受講者の講義中の思考や雰囲気を確認しづらい」「効果の確認が難しい」などが挙がった。
興味深いのは、「教える側のスキル不足」という回答だ。要するに、研修する側の画面越しでのプレゼンテーション能力不足である。多くの人が経験して気付いているように、オンラインでは相当なオーバーアクションで話をしないと、なかなか熱量が感じられない。また、その人の持つ雰囲気やオーラが画面越しだと消されてしまうので、話す内容というより、そもそもの話し方に関するスキルアップが必要となってくるだろう。
オンライン研修のメリットとデメリット
次に、オンライン研修のメリット/デメリットに関してはどういう回答があったのだろうか。
メリットに関しては、「移動時間が削減できる」という回答が87.6%で最も多く、「場所による制約がないので全国一律に実施できる」が77.9%、「金銭的コストが削減できる」が66.4%と続いた。
一方、デメリットに関しては「社員の交流機会が減る」が71.7%で最も多く、「実践型研修が難しい」が69.0%、「一方的に聞くだけなど社員が受け身になりやすい」が55.8%と続いた。
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