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本格導入はいつ? JALが実証実験を進める3つの「デジタル健康証明書」混乱を解消したい(3/5 ページ)

新型コロナの感染拡大を受けて、空港が大変なことになっている。日本から海外へ渡航する際、各国ごとに必要な手続きや入国後の制限が大きく異なり、航空会社にも利用者にも混乱が広がっているのだ。こうした騒ぎを解消するために……。

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医療機関と連携した「コモンパス」「IATAトラベルパス」

 こういった海外渡航時の混乱をなんとか解消したいと、世界規模で開発・導入が進んでいるのが「デジタル健康証明書」だ。

 「コモンパス」は、スイスの非営利組織であるコモンズ・プロジェクトが世界経済フォーラムと連携して推進しているアプリ。現在、32カ国の検査・予防接種業者が参加し、相互運用可能な標準規格に基づいたデジタル健康証明書を個人に提供することを目指しているという。

 JALやANAのほか、キャセイパシフィック、ルフトハンザなど複数の航空会社が「コモンパス」のパートナーになっている。

 「IATAトラベルパス」はIATA(国際航空運送協会)が推進しているもので、「イアタトラベルパス」あるいは「アイアタトラベルパス」と呼ばれる。5月中旬現在、JALを含む世界30社の航空会社が実用化に向けた取り組みに参加しており、シンガポールでは5月1日から入国検疫に導入済みだ。

 「コモンパス」と「IATAトラベルパス」は、いずれも世界共通の規格になることを目指しており、医療機関との連携が最大の特徴だ。


グローバルで開発・普及が進められている「コモンパス」(写真左)と「IATAトラベルパス」

 これらのデジタル健康証明書を利用する場合は、それぞれのアプリと提携している医療機関でPCR検査を受ける必要がある。その後、検査結果を含む健康証明書が利用者のアプリに送信され、それを出入国時に表示することで健康状態を証明できる。

 現状、「コモンパス」と連携している日本の医療機関は、東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニックなど2つのみ。「IATAトラベルパス」は、5月中旬から複数の医療機関と連携する予定だ。

 いずれのアプリも幅広い国や航空会社が参加しており、その利便性に期待が高まるが、現状はあくまで日本からの出国時と一部到着国への入国時、海外からの出国時のみの利用を想定しており、日本帰国(入国)時の利用のめどは立っていないという。

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