価格は「そのまま」なのに、なぜ沖縄のブルーシールは「容量20%増」に踏み切ったのか:発売初日で1か月分の売り上げ(4/4 ページ)
沖縄のアイスクリーム専門店「ブルーシールアイスクリーム」を展開するフォーモスト・ブルーシールが、店頭販売向けのカップアイスをリニューアル。内容量を20%増量し、発売初日で「例年の1カ月分」の売り上げた。コロナ禍で沖縄を訪れる観光客数が激減する中、なぜ増量に踏み切ったのか――。山本隆二社長に聞く。
カップリニューアルで年間6トン分の資材コストを削減
今回のカップアイスのリニューアルは、SGDsの取り組みも同時並行で実現した。旧パッケージには厚みのある紙製のフタが付いていたものの、新パッケージでは紙製ヒートシールを採用。これにより、環境保全に寄与すると共に、年間6トン分の資材コストを下げ、その分内容の増量に回すことができた。
さらに、沖縄のアイスクリーム・ブルーシールならではの取り組みとして、19年10月に正殿などが焼失した首里城の復興支援も行っている。初回生産分で1商品につき1円を「首里城基金」に寄付するというものだ。
山本社長があるコンビニに立ち寄った際、こんなものを目にした。陳列しているブルーシールのカップアイスの前に、お店の人自ら手書きしたであろうメッセージだった。「ブルーシールを食べて首里城再建を応援しよう」――。
ブルーシールの企業理念は「アイスがもたらす笑顔のために」。「わったーアイス」がその役目を果たし続けるため、足元を固めて再スタートを切る。
著者プロフィール
長濱良起(ながはま よしき)
フリーランス記者。元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、沖縄県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。同年から個人事務所「XY SUDIO」代表。記者・ライター業の傍ら、フリーのTVディレクターや音楽制作業でも活動する。1986年、沖縄県浦添市出身。
著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画工房)がある。
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