コラム
資生堂が撤退したアメニティーに商機 化粧品メーカーの新たな一手とは:コロナ禍の苦境を救う?(2/5 ページ)
化粧品がさまざまな場所で“活躍”している。コンビニのPB商品や、ホテルのアメニティー開発など、化粧品の可能性を広げる取り組みが増えた。
ローソンがスキンケアのPBを展開した理由は?
ローソンではもうひとつ、ファンケルグループが手掛ける普段使いコスメシリーズを販売している。20年3月に発売したローソン初の化粧品のプライベートブランド(PB)「ナチュラルローソンスキンケア」は、ファンケルグループのODM、ニコスタービューテック(横浜市)が開発・製造を行っている。ナチュラルローソンスキンケアは国内約1万4600店舗のうち、8割ほどで販売している。
すでに化粧品を多数販売するローソンがPBとしてスキンケアの展開に至ったのは「ローソンだからこそ提供できる、お客に寄り添った商品開発をしたい」との思いからだという。そこで目をつけたのが、新型コロナ以前から成長していた“無添加化粧品”だ。
需要が高まる一方で、高価なイメージや、新しいブランドへの切り替えハードルの高さなど課題があった。そこで無添加に加え「手に取りやすい価格とデザイン、量・日ごろのケアに1品プラスしやすい」ことをコンセプトに開発。
そのため全5商品はいずれも普段使用するアイテムに追加できる商品で、「NL クレンジングジェル」(900円)や「NL塗って寝るパック」(900円)など手頃な価格を実現している。
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