2年で3万台が売れた! スマホ操作の聴覚サポートイヤフォンが好調なワケ:3万円で高機能(2/6 ページ)
聴覚サポートイヤフォン「Olive Smart Ear(オリーブ スマート イヤー)」の売り上げが好調だ。約2年で3万台ほど売れたというが、どういった特徴があるのだろうか。製造・開発元のオリーブ ユニオンに、取材したところ……。
「セルフ」の音調整で低価格・高機能を実現
オリーブ ユニオンが2019年に発売した片耳装着タイプの聴覚サポートイヤフォン「オリーブ スマート イヤー」は、ブルートゥースでスマートフォンに接続し、専用アプリによって利用者が自ら音の調整を行う。といっても、健康診断の聴覚検査のように音が聞こえたらボタンを押すだけなので、複雑な操作は必要ない。
基本モード、会話モード、TVモードの3種類のモードと雑音を除去する機能、音量調整機能に加え、イコライザー機能も。8種類の音の高さを0〜100%まで好みに合わせて細かく調整できる。スマートフォンでの通話や音楽鑑賞など、イヤフォンとしても使用可能だ。
オリーブ スマート イヤーは補聴器とは異なり、周囲の音を大きくして音を聞きやすくする「集音器」のカテゴリーに属し、通信販売や家電量販店で広く販売されている。一方、補聴器は高度難聴まで対応する管理医療機器であり、販売許可や営業所ごとの届出など厳しい条件をクリアする必要がある。
両者は価格帯も大きく異なり、18年の日本補聴器工業会の調査によれば、1台当たりの平均価格が15万円の補聴器に対して、集音器は2万〜3万円。オーウェン氏は「オリーブ スマート イヤーは、集音器と同カテゴリー・価格帯でありながら、補聴器にも劣らない機能性を実現した」と話す。
「集音器の利用対象は、聴力レベルが40デシベル以下の軽度難聴者です。騒がしい環境になると音が聞き取りづらいものの、日常生活にはあまり支障がない程度。その点、オリーブ スマート イヤーは48デシベルまで対応可能です。多くの集音器が備えていない音の個別調整も可能で、より個人の“聞こえ”のニーズを満たしやすい設計です」
48デシベルは中等度難聴者の聴力レベルで、「近寄らないと相手の声が聞こえない」「テレビの音が聞こえづらい」といった特徴がある。
低価格が実現できた主な理由は、補聴器のように何度も店舗に足を運ぶことなく、スマホ上で音の調整が完結するため。オーウェン氏は、店舗での専門家の調整とアプリ上での個人の調整には、精度に大差がないと考えているそうだ。
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