ドーミーインのこだわりは「大浴場」だけじゃない 店舗数拡大でも維持する「水風呂」と「朝食」の質:瀧澤信秋「ホテルの深層」(3/5 ページ)
共立メンテナンスが運営するビジネスホテル「ドーミーイン」。大浴場のこだわりにとどまらず独自サービスを展開している。
サウナにかける意気込み「サウナ」部を設立
同社がサウナにかける“熱き”意気込みはコロナ禍でさらなる極みを見せている。ドーミーイン「サウナ部」の存在をご存じだろうか? 正式には「DOMINISTYLE サウナ部」といい、Facebook公式ページがひそかに開設され“入部者”が増えているという。ドーミーインの大浴場、サウナ&水風呂への飽くなき探求を知るほどに“サウナ部”とはなんとも感慨深い。
“部活動”の一端を知ることができるのが「DOMINISTYLE サウナ部員による全国ドーミーイン勝手にランキング!」という冊子だ。開いてみると、サウナ編・水風呂編・ととのいスペース編・泉質編とそれぞれランキングされている。また、チラー装置の有無まで掲載され、特製ドリンクを入れる「オロポカップ」(サウナ好きには分かる)なるものまで紹介されている。これは“本気”だ。
バスルームを設けず客室にゆとり
大浴場やサウナについてみてきたが、ホテルである以上客室の快適性は重要なポイント。大浴場つながりでいえば、客室に備えられた館内着もよく考えられている。収縮性の高い素材を使用し、風呂上がりの水気のある肌でもスムーズに脱着できる。
客室の面積はシングルユースで14〜15平方メートル程度、一般的な宿泊を主体としたホテルと同等といえる。しかし、大浴場を擁する強みを生かし、客室にバスルームを設けずシャワーブースのみとすることで、同クラスのホテル客室と比較して広く感じる。また、シャワーブースとトイレは動線上で隣接させているが、洗面スペースを別に設置しており、いわゆる三点分離的な快適性もある。さらに、水回りと居所スペースの間に引き戸を設けプライバシー感もより高めている。
客室を視覚的により広く見せているのが“デュベスタイル”のベッドメークだ。スプレッドタイプのように柄物のカバー(兼コンフォーターケース)というのが伝統的なホテルベッドメークであったが、デュベスタイルは、羽毛布団を真っ白な掛け布団カバーで包む点が特徴だ。真っ白な布団がフワッと掛かったデュベスタイルのベッドメークは、清潔感もありゲストからの評価が高い。
このようにドーミーインの客室ステイに着目しても、デュベスタイルのベッドメークをはじめウォッシャブルスリッパといったアイテムも快適性から支持される理由となっている。その他、客室を広く使える点では、デスクチェアではなくスツールが設置されていることも一役買っている。
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