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フランス司法当局がユニクロなど捜査 新疆問題で表面化する日本アパレルが抱えるジレンマ:磯部孝のアパレル最前線(3/4 ページ)
7月2日、フランスの司法当局は「人道に対する罪の隠匿」の疑いでユニクロのフランス法人など4社の捜査を始めた。
衣料品の97%は輸入で中国からは7割を占める
もう一つ、現実として、日本の衣料品の97%が輸入で、そのうち中国からの輸入が7割を占めている。以前より、日本のアパレルの中国依存度の高さは問題視されてきた。2010年ごろの尖閣諸島問題から端を発した反日デモ、原材料、人件費高を機に、中国生産からより安価なコストを求めて東南アジアシフトが行われた。
その結果、ベトナム、ミャンマー、バングラディッシュといった新たな生産ルートが開拓できたが、それぞれ、どの国でも一長一短はある。共通している問題点の一つは輸送時間という地政学的に時間がかかってしまう点だ。年間を通して販売するような定番商品なら良いが、直近まで市場動向を見極めないと読みにくいトレンド商品には向かない。こうして地政学的に見ても中国に利がある。そして、中国以外の東南アジアルートの最たるデメリットは政情不安とコロナ禍によるパンデミックの問題だ。
ミャンマーが抱える政情問題も、現在の軍事政権を正当政府と認めるのかどうかという問題も残る。その他の東南アジア諸国では、ワクチン不足や医療機関の脆弱(ぜいじゃく)性もあり、ワクチン接種率も上がらずに工場稼働に支障をきたしている。中国共産党の良しあしは別にして、工場稼働、物流インフラ、コロナ対策もひっくるめて問題はない。かえって東南アジア生産の不確実性を嫌って世界中から中国にオーダーが集中して、中国の工場キャパが埋まっていると聞こえてくるくらいだ。
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