クラファン3900万円達成! 集中度を数値化するイヤフォン型脳波計「VIE ZONE」の可能性:中高年の男性が支援(4/5 ページ)
日本のスタートアップが発表したイヤフォン型脳波計「VIE ZONE」が、クラファンで3900万円ほどの支援金を集め、注目されている。イヤフォン型脳波計とは、どのようなアイテムなのか。同製品を開発したVIE STYLEの社長に話を聞いたところ……。
米クラウドファンディングを活用した事業戦略
13年に創業したヴィースタイルは、現在までに4種類のオーディオデバイスを開発。いずれも米クラウドファンディング キックスターターで支援を募り、多額の支援金を集めている。
16年に発表した、耳が痛くならないヘッドフォン「VIE SHAIR」(ヴィーシェア、2万4900円)は、約2000万円を集め製品化。現在はビュースタイルの公式サイトなどで発売中だ。人体に合わせて3Dデザインした“エアーフレーム”により、本体が耳に触れないため、長時間装着しても耳への負担がかかりづらいそうだ。
「ヴィーシェアは、ミュージシャン時代に長時間のヘッドホン装着をストレスに感じていた私自身の原体験から開発にいたったデバイスです。オープンとクローズドの2種類のフレームを備えているため、長時間装着するときはオープン、ヘッドホンの音に集中したいときはクローズドと使い分けが可能です」
18年には耳にフィットするやわらかいイヤフォン「VIE FIT1」(ヴィーフィット1、6900円)、20年には進化版の「VIE FIT2」(ヴィーフィット2、8800円)と耳が小さい人用の極小イヤフォン「Vie Petite 」(ヴィープティ)を発表。総額約6000万円を集め、ヴィーフィット1・2を市場展開している。
キックスターターを活用した背景には、いくつか理由があるが、今村氏は「製品とサイトの利用者層の相性の良さ」を挙げた。
「最初の製品を発表した2016年の段階では、日本のクラウドファンディング市場がまだ盛り上がっていなかったこともあり、キックスターターで発表しました。予想以上に資金が集まったのは、革新性や独自性のあるプロダクトを好み、かつ所得が高い傾向があるキックスターターの利用者層と当社の製品がマッチしたのではと考えています」
現在、クラウドファンディング実施中のヴィーゾーンは約4000万円の資金を集めており、順調なすべり出しのようだ。
「現状、約8割がアメリカ人を中心とした外国人の支援者で、メインは40代後半〜60代の男性です。認知症予防や高齢化といったキーワードにもハマる商品になりそうです」
関連記事
- 真っ先に変えるべきは日本人の「思考」 オードリー・タンが貫く「透明性」と「多様性」
新型コロナの封じ込め戦略など、台湾の存在感が抜きん出ている。その中心人物として活躍しているのが、デジタル担当政務委員大臣のオードリー・タン氏だ。コロナ禍を通じて、日本が台湾に学ぶべきことは何か。 - オープン1週間で満室! 在宅勤務の20代がソーシャルアパートメントを選ぶワケ
グローバルエージェンツが5月末にオープンしたソーシャルアパートメント「ネイバーズ鷺沼」が人気である。開業2カ月前から集客を開始したところ、約180件の問い合わせを集め、オープンして1週間後には全60室が満室に。住民の多くは20代のリモートワーカーだ。 - コロナ禍で売上は1.5倍! 耳をふさがない「骨伝導ヘッドフォン」は何がスゴいのか
新型コロナの感染拡大を受けて、宿泊業や外食産業は大きくダメージを受けているが、そんな中でも前年比で売り上げを伸ばしているアイテムもある。「骨伝導ヘッドフォン」だ。なぜ、この商品が売れているのかというと……。 - トイレ界のスタバを目指す! 東南アジアに広がる「1回33円」の有料トイレ
タイやベトナムなどで、有料の公衆トイレが人気を集めている。運営しているのは、スイスの会社「ミスター・ルー」。1回33円の有料トイレはどんなところなのか。共同創業者の2人に話を聞いた。 - 学生需要は急落したのに、なぜカシオの「電子ピアノ」は売れているのか
新型コロナの感染拡大によって、多くの企業が売り上げを落とした。そんな中でも、「あれ? このアイテムが売れているの?」と感じる商品がある。電子ピアノだ。カシオ計算機の電子ピアノは苦戦していたのに、なぜヒットしたのか。その秘密に迫ったところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.