2015年7月27日以前の記事
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ひろゆきが、「頭は仕事に使うもの」と考える人を残念に思う納得理由ひろゆき流・なまけもの経営術(2/2 ページ)

「遅刻はするけど、きちんと成果を出す」のがひろゆきこと西村博之氏。『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)の中から、ひろゆき流の「なまけもの経営術」をお届けする。

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遊びに全振りするくらいで、ちょうどいい

 むしろ、頭を使いすぎないほうが、仕事は成功しやすいという気がします。

 何かに没頭している状態は、脳科学的には、「フロー」とか「ゾーン」とか呼ばれています。時間を忘れるほど集中して頭を使っている、脳的に「超、気持ちいい」瞬間です。じゃあ、仕事でもそれくらい没頭するべきだ、なんて思うかもしれませんね。

 でも、人に何かを売り込むのも、エクセルに数字を入力するのも、比較検討してひとつを選ぶのも、単なる作業であって没頭する必要などありませんから、何もゾーンなんかに入らなくていいわけです。

 僕自身の経験としては、過度な思い入れを持たず淡々と作業をこなすほうが、仕事としての仕上がりのクオリティーはかえって高くなる傾向があるように思います。

 仕事で「ものすごく頭を使ったなぁ」と思ったことがありませんし、それよりはるかに、遊びに頭を使っていると思います。割合で言うと遊びに8割、仕事に2割くらいでしょうか。

 少し前にボードゲームの仕事に関わったときなんか、まさにそうでした。

 どういう感じだったかというと、まず「遊び」としてボードゲームで遊んだ後、今度は「仕事」としてボードゲームの打ち合わせに移ったのです。

 その日に遊んだのは「マーダーミステリー」というジャンルのボードゲームでした。

 6人でプレイしながら犯人やトリックを暴いていくのですが、プレイヤーそれぞれに役割分担があったり、それぞれのキャラクターになりきらなくちゃいけなかったり、時間制限つきのミッションがいっぱいあったりと、かなり集中力を要します。

 しかも、一度犯人が分かったらおしまいなので、プレイできるのは実質1回きり。おまけに5000円くらいするゲームなので、真剣にやらないとかなり後悔します。だから絶対にクリアするという緊張感を持って、脳みそフル回転でプレイするのです

 という感じで、めちゃくちゃ集中して遊んだ後で、仕事に移りました。

 僕らはゲームの作り手として、当然ですが相当にボードゲームで遊び慣れています。だから、それほど遊び慣れていない人たち向けに、軽めのボードゲームを開発するには、多少、頭が疲れている状態のほうがいいのです。

 ゲームへのこだわりがエスカレートしないし、ゲームを「仕事」として客観的に眺めることもできます。その結果、自然とゲームのレベルが初心者にちょうどいいレベルまで下がるので、万人受けしやすい商品が作れるというわけです。


軽めのボードゲームを開発するには、多少、頭が疲れている状態のほうがいい

「ある程度バカ」がうまくいく

 例えば機械などでも、多機能で複雑なものと、ボタンひとつで最低限の操作ができるものがあれば、機械いじりに頭を使いたい人は多機能型を選ぶかもしれない。

 でも、しょせんそれは少数派で、多くの人は操作に頭なんて使いたくないから、ボタンひとつですむほうを選ぶはずです。

 ここで機械好きが、機械好きの頭のままモノを作ると、往々にして自分と同じ少数派にしか受け入れられない製品を作ってしまいがちです。機械に限らず、モノやサービス作りの失敗の多くは、そこが一大原因だったりします。

 先ほど挙げた僕のボードゲームの例も、これと同じだと考えています。

 要は、仕事に頭を使いすぎると、成果物がマニアックになりすぎる。そういうことが起こりやすいというわけです。

 やっぱり頭は使いすぎないほうが仕事は成功しやすい。だから、使える時間全体の2割くらいに留めたほうが仕事で成果は出やすい気がします。

 ある程度バカになる――なんて言ったら感じ悪いかもしれませんけど、あまり頭を使わないで受け止める人の感覚になって取り組んだほうが、世間で広く受け入れられるものができるに違いないと思っているのです。

 もしも仕事に行き詰まったら、いっそ遊びに頭脳のほとんどを使って、その余力で仕事をするくらいに考えたほうが、じつは、ちょうどいいのではないでしょうか。

 そうすれば、「仕事後は疲れ果てていて、遊ぶ時間なんて作れない」という悩みも、ついでに解決できそうですよね。(一部、敬称略)

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