確定申告のデジタル化、青色申告者の4割がe-Tax利用意向
弥生(東京都千代田区)は、確定申告予定者を対象に「確定申告のデジタル化に関する意識調査」を実施した。その結果、令和3年分(2021年)分確定申告の青色申告者の39.3%が、e-Taxの利用意向があることが分かった。
弥生(東京都千代田区)は、確定申告予定者を対象に「確定申告のデジタル化に関する意識調査」を実施した。その結果、2021年分確定申告の青色申告者の39.3%が、e-Taxの利用意向があることが分かった。令和2年の利用者36.4%と比較し、2.9ポイントの微増に留まった。
19年の利用者と20年の利用者を比較すると9.9ポイント向上しており、新型コロナウイルス感染拡大防止のための非接触、非対面の推奨や、青色申告特別控除の要件変更などにより増加したと推測される。
20年分のe-Tax利用者に満足度を聞くと、「非常に満足」が31.6%、「やや満足」が48.3%と約8割が利用に満足していることが分かった。理由としては、扱いが簡単、記入漏れや計算間違いを防げることなどが挙がった。
e-Taxを利用したいと回答した個人事業者に、利用したい理由を尋ねると、「税務署に行かずに済むから」が53.8%で最も多く、次いで「時間を気にせず手続きができるから」(46.9%)、「申請の時間を短縮できるから」(38.0%)となった。「混雑、人混みを避けられるから」も36.9%おり、コロナ禍における非接触、非対面の浸透もe-Taxの利用促進になっていることが推測される。
一方、e-Taxを利用したくないと回答した人に理由を尋ねると、「紙での提出に慣れているから」が49.4%と最も多く、2位以下の理由と大きく差が開く結果となった。2番目に多かったのが「ICカードリーダー/ライターを買いたくないから」で22.1%、3番目が「税務署/確定申告会場で相談したいから」(17.4%)となった。
21年分の確定申告から、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」に限り、スマートフォンアプリ(マイナポータルアプリ)でパソコン上に表示された2次元バーコードを読み取ることでICカードリーダー/ライターが不要となった。この認知については「知らない」と47.9%が回答し、半数以上の人がe-Taxを利用するためには必ずICカードリーダー/ライターが必要だと考えていることが分かった。
確定申告時の課題や悩みについて聞いてみると、第1位が「間違いや不備がないかどうか分からない」39.7%だった。このような不安が、前述したe-Taxを利用しない理由の「税務署/確定申告会場で相談したい」につながっているとうかがえる。
第2位は「作成に時間や手間がかかる」35.3%だった。一方で、自宅などからe-Tax利用を選んだ人にe-Taxにより申告で確定申告に費やす時間が減ったかどうかを聞くと、「非常に当てはまる」23.5%、「当てはまる」45.3%と、約7割が時間短縮を実感していることが分かった。
証憑(しょうひょう)整理や取引記録を自動取込、自動仕訳をする入力のデジタル化について、27.6%が利用していることが分かった。19年に利用した人は26.2%であり、ほぼ変わらない結果となった。利用した人に満足度を尋ねると「非常に満足」が38.9%、「やや満足」が51.4%と9割以上の人が満足している。
調査は、21年分の確定申告を行う予定の全国20〜70代の個人事業主1000人を対象に、インターネットにより実施した。調査期間は1月11〜13日。
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