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平均60.3歳──老いる社長、緩やかに進む「会社の自殺」:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/4 ページ)
社長の高齢化が進み、ついに平均年齢は60歳を上回った。「高齢だからダメ」ということはないが、社長という“権力の座”に同じ人が長く座ることで、組織にはさまざまな弊害が出てくる。
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そんな事態を防ぐための最良の手段が、社長交代です。
件の調査では、社長交代をした企業における新・旧社長の平均年齢は、交代前の68.6歳から交代後は52.1歳になっています。つまり平均で16.5歳も若返っていることが分かりました。
社長が16.5歳も若返れば、会社の空気は大きく変わります。
「経営陣が変わって、冷や飯を食わされてた社員が生き返った」
「若いとフットワークがいいから、いろいろなことが早くなった」
「ずーっと居座ってた管理部門のトップのせいで、悪政が続いてたけど、トップが変わったら左遷された。社長の交代より、こっちの方がうれしい」
「今度の社長は、奥さんとずっと共働きだから、女性も少しは働きやすくなるかも」
──こんな現場の声を、私自身聞いてきました。
社長の交代劇が行われる際は、その取り巻きたちも会社を辞めたり、異動したりと一新すると期待できる。
「組織を変えたきゃ、若者、よそ者、バカ者を入れよ!」と言われるように、組織とはある意味生き物であり、組織が存続するには“鳥の視座”が必要不可欠。血流がよどまない工夫が必要なのです。
最後に。一般的に「社長の高齢化=後継者不足」とされることが多いですが、必ずしもそうとはいえません。
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