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TOTO USA副社長に聞く ウォシュレットの販売台数を倍増させた秘密赴任当時トイレの話はタブーだった(4/5 ページ)

TOTOの温水洗浄便座の売上高が、2019年あたりから大幅に伸びてきている。コロナ禍という特殊事情で注目された面もあるものの、好調の裏にはTOTOの知られざる地道な努力があった。販売の最前線に立ってきたTOTO U.S.A., INC.の野嶋克仁副社長に、売れ出した要因と今後の展望を聞いた。

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米国でTOTOのファンを作る

――米国市場でTOTOは温水洗浄便座ではトップシェアなのでしょうか。

 統計がないので正確なことは分かりませんが、アマゾンなどではベストセラーの名前にTOTOの商品が入っていることもあり、トップブランドだとは思っています。

 米国メーカーは、韓国などアジアのメーカーがOEMで温水洗浄便座を作ったものを米国ブランドとして販売しています。日本メーカーでは、リクシルが米国の陶器メーカーのアメリカンスタンダードを買収し、リクシルが作った温水洗浄便座を米国に輸出してアメリカンスタンダードブランドで販売しています。

 TOTOは自社生産、自社販売で、マレーシアで生産したウォシュレットを販売しています。価格は3万〜10万円というところです。

――米国の温水洗浄便座の市場はどれくらいでしょうか。

 まだ小さい市場で、市場規模を語れるまでにはもう少し時間が必要です。住宅への世帯数普及率は数%でしかないので、これから市場が拡大する可能性は大きく、販売実績を持つ当社が大きくしていかなければなりません。

――国土の広い米国市場ではメンテナンスの体制はどのようにしているのですか。

 メンテナンスは大事にしています。米国でTOTOのファンを作ることを目標としているので、一度買っていただいたお客さまにはできるだけ長く使ってもらいたい。ロサンゼルスやニューヨークのような大都市を含め主要エリアで日本と同じような訪問修理も実施しています。場合によっては飛行機に乗って修理にも行きます。

 保証期間を過ぎたら修理代もいただいています。米国においても昔に比べるとメンテナンスは良くなってきていると思います。お客さまにご迷惑をおかけしない、初めてお使いになるお客さまに安心して購入いただけるよう、差別化を図るためにアフターサービスは重要なポイントになると思っています。


差別化を図るためにアフターサービスは重要なポイントになる(写真提供:ゲッティイメージズ)

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