ホテルが発売する「推し活プラン」は、なぜ売れるのか 人気部屋の条件:人気は続くのか(4/5 ページ)
有名ホテルを含む多くのホテルで、推し活専用の宿泊プランが続々と発売されている。東京ドームホテルでは、「推し活宿泊プラン」の終了期間が3度も延長され、22年8月末までの継続が決まったほど。推し活メディア「oshicoco(オシココ)」の編集長、兼Oshicoco(オシココ)社のCEOであり、自身でも推し活をするという多田夏帆さんに、「ホテルの推し活プランが売れる理由」を聞いた。
当事者に聞く「売れる部屋」の条件
多田さんは、自身の推し活経験を生かし、自社でホテルの推し活プランのプロデュースもしている。すべての部屋にキッチンや調理器具を備えるライフスタイルホテル「MIMARU(ミマル)東京 八丁堀」で発売された「推ししゅき1000%!ときめきフェアリールーム」だ。同プランには、当事者視点での「推し活で求められる要素」を詰め込んでいるのだとか。
「DVDプレーヤーと大画面のテレビやプロジェクターのほか、リモコンのワンボタンでユーチューブが見られるのも重要なんです。SNSに投稿することを踏まえて、“映える”要素も欠かせません。そのうえで、駅に近い、おしゃれな飲食店が多い、CDショップがあるといった周辺の立地条件とコスパのよさがあると選ばれやすいと思います」(多田さん)
ミマル東京 八丁堀では、これらの要素を踏まえて、10色のビッグリボン、シャンパンタワー用のグラス、ペンライトなどを完備。さらには、推しのぬいぐるみ専用のベッドまで。推し活をする人の中には推しのぬいぐるみを持ち歩く人が多いようで、小さなベッドに寝かせて撮影するなどして盛り上がるのだという。同プランは、2人利用で1人1万5450円となる。
多田さんが個人的によく利用するホテルを尋ねると、「sequence(シークエンス)」と「トグルホテル水道橋」をあげた。
いずれも推し活プランは発売していないが、シークエンスは渋谷の宮下パークと水道橋にあり、立地とコスパがよいそうだ。水道橋にはユーチューブが見られるやや大きめのテレビがあり、公式Webサイトなどでの説明は見当たらなかったが、多田さんいわく「プロジェクターの貸し出しも行っている」とのこと。素泊まりで1人3000円台〜と気軽に泊まれる価格帯だ。
CD発売日の前日に宿泊して部屋で推し活を楽しみ、翌日はCDショップめぐりをするのが定番だという。ちなみに、CDは複数種類のトレーディングカードやビデオ通話などの特典を得るため、同じものを10枚買う人もザラにいるのだとか。
トグルホテル水道橋は、フロアーごとにテーマカラーが異なるユニークな内装が特徴だ。DVDプレーヤーなどの設備がそろっており、写真映えする点もお気に入りとのこと。
同ホテルは、建築・デザイン系のWebメディア「Dezeen」による「Dezeen Awards 2021」のホテル・ショートステイ インテリアデザイン部門で、最優秀賞を受賞した実績がある。確かに洗練された印象があり、写真撮影したくなるのもうなづける。価格は、素泊まりで1人4600円〜。
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