観光シーズンなのに沖縄でレンタカーが不足しているワケ:えっ、中古車を買う人も(4/4 ページ)
夏の沖縄観光シーズン真っ盛りの8月、沖縄ではある問題が生じていていた。観光客の足になるはずのレンタカーが不足していたのだ。なぜ?
観光業界は行政からずっと無視されている――
しかしながら「観光関連業界は行政からずっと無視されていますよ」と、苦境の中で怒りや呆れをにじませて話すのは、前出の沖縄県レンタカー協会の白石会長だ。同協会としても観光業界全体としても、21年の初頭から計5回、沖縄県に支援の要請をしているが「何の支援もない」と嘆いている。
沖縄県の観光収入が20年度と21年度の2年間、計約1兆円も失われながらも県からは対応が見られなかったとして、5月と7月にそれぞれ県庁前で観光関連事業者による300人規模の決起集会が開かれていた。
観光業の落ち込みにより、離職して別の仕事に就いている人も少なくない。白石会長は「沖縄には長く観光業に携わってきて、仕事に対して矜持(きょうじ)のある人がいます。そういう人たちこそ観光業をやらなければならないと僕は思います」と話す。「沖縄の観光を背負って立とうという意思を持った次の世代の人がいるということ自体が、沖縄のポテンシャルです」
20年から続くコロナ禍。奇しくもこの期間で、沖縄では「名護東道路」の開通や、沖縄本島の大動脈「国道58号」の一部4車線化など、道路整備が次々進んでいる。来年の夏にはより快適な沖縄のドライブ旅を多くの人が楽しめますように……。筆者も一県民としてそう願っている。
著者プロフィール
長濱良起(ながはま よしき)
沖縄県在住のフリーランス記者。音楽・エンタメから政治経済まで幅広く取材。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、沖縄県内各企業のスポンサードで2年間世界一周。その後、琉球新報に4年間在籍。
2018年、北京に語学留学。同年から個人事務所「XY SUDIO」代表。記者業の他にTVディレクターとしても活動。
著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)がある。
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