東急バスのEV自動運転バス 当面の目標は「路線バスの先」にある:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/8 ページ)
東急と東急バスが9月13日〜15日に多摩田園都市の住宅街で「自動運転モビリティの実証実験」を実施した。実験コースは横浜市青葉区すすき野付近で、反時計回りに4つの信号機付き交差点を巡って戻る。使用車両は8人乗りの小型バス。この小さな車両が選ばれた理由から、課題が見える。
1つ目の「すすき野小学校前」交差点を左折した道に小学校と中学校がある。小学校の前に横断歩道があり、信号機はない。団地側は配達業者のトラックやワゴン、ごみ収集車が停車する。
2つ目の「すすき野中学校前」を左折した道は全43棟1578戸の虹ヶ丘団地とたまプラーザ駅方面を結ぶ道。この区間はバス路線がないけれども、スーパーマーケットや温浴施設を利用するクルマたちがたくさん通る。
3つ目の「荏子田2丁目交差点」を左折すると、東急グループが開発した戸建て住宅地域になる。この道は北へ進んで尻手黒川道路につながり、新百合ヶ丘方面に通じる。南はショッピングモール、さらには国道246号線と東名高速横浜青葉インターチェンジへ通じる。したがってマイカーなど自動車交通量が多い。
道路はすべて片側1車線、一辺の道を除き、三辺の道路の中央線はすべて白、後続車は低速な自動運転バスを追い越し可能だ。狭いエリアながらアップダウンが多く、実験コースは上り坂2つ、下り坂3つ。坂の頂上までは前方の見通しも悪く、上りきる直前まで対向車が見えない。
必要以上に詳しく書いたかもしれない。なぜなら、ここは奇しくも私の自宅から徒歩10分ほどの地域だから。「た41系統」は私がふだん使うバス路線だし、実験コースは私が散歩で歩き、スーパーと往復する道のりだ。だからこそ、ここで実験を行う意味がよく分かった。
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