ツイッター3700人、メタ1.1万人 海外IT企業で進む人員整理 国内エンジニアバブルへの影響は?:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
イーロンマスク氏によるツイッターの買収で従業員の大量解雇が話題となる中、今度はメタが1万人超の解雇を発表。大きく揺れるIT業界だが、視点を移すと国内ではいまだに人手不足からエンジニアバブルが続いている。
「未経験でも、フリーランスエンジニアに転職で月単価○○万円!」――このようなインターネット広告やインフルエンサーの投稿を目にすることが珍しくなくなってきた。しかし、こうしたエンジニア業界の人不足と単価上昇があいまった“好景気”は近い将来に息を潜めることとなりそうだ。
Googleにおける検索ボリュームの推移を確認できる「Google Trends」のデータを見てみよう。全世界を対象として、日本語で「解雇」を表すキーワード「layoff」のボリューム推移を確認すると、2022年の3月ごろからじわじわと上昇基調に転じている。足元では急速に伸びており、過去2年で最大の関心を集めている様子がうかがえる。
その背景には、米国の大手テック企業が相次いで解雇や新規採用の停止を実施し、人員を削減していく動きが広く報道されたことがあるだろう。
GAFA中心に大手IT企業で進む人員整理
FacebookやInstagramとった巨大SNSを手掛ける米国企業のメタは、ここ1年で70兆円も時価総額を減らした(参考:『わずか1年で時価総額76兆円が消失のメタ 「脱・Facebook」の大きすぎた代償』)。企業価値に業績の行き詰まり感が波及していった結果、11月9日には全社員の13%に相当する1.1万人を解雇すると発表している。
他の超大手テック企業においても、アマゾンでは11月3日、向こう数カ月にわたって新規の人材採用を凍結することを発表した。その対象は小売事業だけでなく、同社における収益の柱であり、高度なテック人材が多数在籍しているAWS関連の従業員についても同じようだ。Googleの運営会社であるアルファベットや、アップルについては、経済動向を理由とした大規模な解雇こそ発表されていないが、22年の採用目標人数を削減することを余儀なくされており、海外テック企業においては人員削減の波が押し寄せている様子がうかがえる。
そんな人員整理で日本にも思わぬ影響となったのが、ツイッターの事例ではないだろうか。同社はテスラCEOであるイーロンマスク氏に買収されて早々に全従業員の半数が解雇通知されたという。その余波は、解雇が非常に難しいとされる日本の支社においても例外ではなかった。
ツイッターの全世界における従業員数は7500人といわれているが、11月4日に、その半数以上となるおよそ3700人へ一斉に解雇通知が行われたという。日本では過去にテレビ特集されたツイッター日本法人の様子がいかにも”ユートピア”的であったことから、イソップ物語の『アリとキリギリス』に喩えて、一部では解雇された従業員側をたたく動きにも発展しているようだ。しかし、そのような社内文化や、人員の拡大戦略といったおおもとの原因は、やはり経営陣に責任がある分野である。
関連記事
- 7割が「不満」 冬ボーナスの支給金額 3位「5万〜10万円」、2位「30万〜50万円」、1位は?
ヒューネルがボーナスに関する調査結果を発表した。最も多くの人が回答した金額帯はいくらだったのか? - 日本企業の課長職、貯蓄平均は「1550万円」 年収の平均は? 業務内容で大きな差 毎月のお小遣い額も明らかに
ビジネスコーチが「日本の課長」に関する調査を実施。年収や毎月のお小遣い、理想の上司/部下などを課長1000人に調査した結果が明らかになった。 - 温泉宿のクチコミランキング 3位「伊香保温泉 ホテル木暮」、2位「効能溢れる癒しの湯治宿 玉川温泉」 1位は?
楽天トラベルが「お風呂のクチコミ評価が高い温泉宿ランキング」を発表した。クチコミを基に、1〜10位までをランク付けしている。その結果、3位には伊香保温泉、2位は玉川温泉の宿がランクイン。果たして1位はどこだったのか? - 都道府県別、人気の移住先ランキング 北海道、兵庫県を抑えた1位は?
移住・関係人口促進サービス「SMOUT」を運営するカヤックが、約4万人のユーザー動向から調査した人気の移住先ランキングを発表した。市区町村と都道府県別にランク付けしている。 - 初デートで「なし」なメニュー 3位「ギョーザ」、2位「ジビエ」、1位は? ファミレス容認派の割合も明らかに
ホットペッパーグルメ外食総研が初デートでの「あり」「なし」ランキングを発表した。SNSで話題になることも多い「ファミレス初デート」容認派の割合や、「あり」「なし」な店・メニューが明らかになった。 - 4000人に聞いた「好きなお菓子」、1位は? 今夏売れたアイスも明らかに
プラネットが、おやつ・お菓子に関する調査結果を発表した。4000人規模の調査から、好きなお菓子や今夏売れたアイスが明らかに。 - ドミノ・ピザ、値下げキャンペーンの一方で“6%値上げ”していた 告知不十分で不満の声も
ドミノ・ピザが10月3日から、デリバリー・持ち帰りを問わず全注文に対してサービス料を徴収し始めた。現状、告知は公式Webサイトやメールマガジンのみで、告知の不十分感が否めない。なぜ、今なのか。そして、いくらかかるのか。広報担当者を取材した。 - 儲けを取るか、顧客を取るか 苦境続く新電力 石川電力の自己破産は氷山の一角?
10月4日に自然電力がサービス終了を発表し、10月6日には石川電力の自己破産が報じられるなど、苦境が続く新電力。最近では収益性向上のために「市場連動型」の料金プランを導入する企業も出始めているが、茨の道といえそうだ。 - 「ジーユー以上、ユニクロ以下」の価格帯で勝負 FOREVER21、日本市場で“三度目の正直”となるためのカギは?
2023年、日本市場への再チャレンジを発表したFOREVER21。過去に二度の撤退を経験しながら、今回を“三度目の正直”とできるか。勝負する価格帯は、「ジーユー以上、ユニクロ以下」となり、激しい価格競争も想定される中、成功のカギはどこにあるのか。専門家が分析する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.