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働かないおじさんを“一掃”すると、若者が犠牲になる──なぜ?(2/3 ページ)
「働かないおじさん」について議論されるようになって久しいですが、なかなか改革が進まないのはなぜでしょうか。日本型雇用慣行における2つの理由があります。
最終盤の時期は、企業としても適当な仕事を任せることが難しくなります。全員を要職に付けるほどポストはありませんし、さりとて一係員としての仕事を割り振るわけにもいきません。かくして「働かないおじさん」などという失礼なレッテルを貼られることになります。
この状況を改革するとしたら、新卒一括採用も同時に改革しなければなりません。
失業は若者が中心になる
企業が新卒一括採用を廃止したら、欠員補充採用しかなくなります。そうなると日本の学生も在学中にインターンとして無給で経験を積むことが要求されるようになります。現在の体制でさえ、在学中に就職先が見つからなかった人は、その後正社員になることが困難です。在学中にインターン先が見つからなかった人の就職はさらに困難になるでしょう。
企業が新人を育成しなくなるので、出身学部や学科も厳しく吟味されるようになります。そうなると高校普通科や大学文系学部出身の人の就職は厳しくなります。その結果、失業問題の中心が中高年である日本も、欧米のように若者中心になるでしょう。
現状においても、日本企業の全てが長期決済型賃金を採用しているわけではありません。零細企業の多くは短期決済型賃金であり、労働者の貢献度と賃金が常に釣り合っています。そうした企業に「働かないおじさん」はいません。その代わり新人育成の期間がないので、生産性も賃金も大企業や中堅企業に比べて低水準です。短期決済型に移行すれば全てが解決されるわけではありません。
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