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なぜ、セブン&アイは「ガソリン高騰でもうかっている」のか:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(6/8 ページ)
決算書から日本経済を読み解く本連載。今回はセブン-イレブンやイトーヨーカ堂などを運営しているセブン&アイ・ホールディングスを取り上げていきます。
好調の要因は「セブンプレミアム」
また、好調の要因としてはPB(プライベートブランド)のセブンプレミアムも影響しています。
セブンプレミアムは22年には売上高構成比24%まで成長しており、物価上昇が目立った22年後半には既存店の売り上げの伸び率以上の成長を見せています。PBは利益率が高く、価格競争に強いです。物価高の中でこれは強みになります。
また、アイテム数を500減らした他、1200アイテムはリニューアルを実施しました。アイテム数の拡大を進めるフェーズから、商品の質を上げていくフェーズに移行しています。
実際にその成果も出ており、セブン-イレブンでのカップラーメンの単品売上を見ていくと、上位8位までがセブンプレミアムとなっています。
こうした大手の小売りは販売データを持っており、またスケールメリットも生かして商品開発ができます。そして売り場も自社で作れるため、今後も成長が期待できるでしょう。
国内のコンビニ市場に目を向けると、飽和状態となっています。コンビニ大手各社の店舗数は減少傾向です。セブン&アイは今後、コンビニとスーパーの中間の規模のSIPストアという新コンセプト店を展開していくとしています。
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