三菱「アウトランダー」、2年連続最も売れたPHEVに 競争激化しても人気の理由:意外な用途も(2/3 ページ)
日本自動車販売協会連合会が発表したPHEV部門の国内販売台数で、三菱自動車工業の「アウトランダーPHEV」が2年連続1位に選ばれた。トヨタ「プリウス」「RAV4」などのライバルがいる中、なぜ日本で最も売れたPHEVとなったのか。
キャンプや災害現場でも活躍 意外な用途
EVの特長の1つが車載バッテリーの蓄電性能だ。このため、昨今のアウトドアブームに乗る形で、キャンプなど屋外での電力源としての訴求も進めている。キャンプ好きのファミリー層が購入するケースが多いという。
(関連記事:「車載バッテリーに蓄電して」 経産省、EVユーザーに呼び掛け EV補助金は継続方針)
PHEVにしかない特長を生かして、災害対策としてのニーズも高い。アウトランダーは災害で停電が発生した際、ガソリンを使って発電することが可能。同社によると、フル充電とガソリン満タン時で、最大12日分の電力を供給できるという。
4WDは悪路でも走行できることから、同社は災害現場にアウトランダーを提供し、被災地を支援。19年9月に「台風15号」が千葉県に甚大な被害をもたらした際、同社は自治体からの要請に応じ、千葉県内の老人ホームにアウトランダーを派遣。電力を供給し続けた。
販売面でも「災害に強いPHEV」を全面に押し出し、通常の自動車ユーザーだけでなく、自治体向けの販売も強化している。これまでに47都道府県で200以上の自治体との災害時協力協定も締結した。
太陽光発電など再生可能エネルギーに注目が集まる中、自宅の屋根に太陽光パネルを設置したユーザーが購入するケースも多い。電気代高騰が叫ばれて久しいが、日中に太陽光パネルで発電した電気をアウトランダーに蓄電し、「V2H」(Vehicle to Home)の機能を使って、アウトランダー側から自宅に電気を供給するといった使い方も注目を集めている。同社によると、こうした使い方はPHEVの中でも急速充電に対応した一部の車種にしかできないことだという。
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