ジェンダーギャップを感じる場面 男女で異なる主張
第二新卒として就職・転職活動中のZ世代はジェンダーギャップをどのように捉えているのか。UZUZ(東京都新宿区)が調査を実施した。
今年の世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数において、日本は過去最低の125位となった。男女格差について課題を抱えている状況である中、第二新卒として就職・転職活動中のZ世代はジェンダーギャップをどのように捉えているのか。20代若手に特化した就業支援事業を手掛けるUZUZ(東京都新宿区)が調査を実施した。
女性の2人に1人が「性別で仕事の不利」を実感
現在(もしくは退職後3年以内)の会社で、男女格差を感じたことが「かなりある・少しある」と回答した男性は26.8%だった。女性は38.3%に上り、男女間に10%以上の開きがある結果となった。
男女格差を感じた具体的な場面として、男性は「男女で職種/業務内容に差がある」(32.1%)が最多となり、2位の「女性が管理職に就きにくい、就くまでに時間がかかる」(13.2%)に倍以上の差を付けた。
一方で、女性は「セクハラのような言動」(14.4%)、「女性が管理職に就きにくい」(13.9%)が上位となり、それ以降の回答も僅差で並ぶ結果となった。
特に不満を感じた場面について、男性は「男女で職種/業務内容に差がある」(32.3%)が、2位の「性別によって意見の出しやすさ/通りやすさに差がある」(16.1%)に2倍の差をつけ最多に。一方女性は「セクハラのような言動」が最多となり、18.9%。「子育てと仕事の両立が難しい」(16.2%)と続いた。
自分の性別は仕事に影響すると思うか。男性の79.1%が「影響しない」としたのに対し、女性は47.3%が「不利になる」と回答。女性の約2人に1人が、自分の性別は仕事において不利になると考えていることが分かった。
自身の性別が有利になるとした人からは「女性管理職が少なかったりするため」「世間的にやはり要職は男性であるといった風潮がいまだに感じられることが多いため」(それぞれ男性の回答)、「注文住宅の営業で女性が珍しいからか、覚えてもらいやすい」(女性)といった回答が寄せられた。
不利になるとした人からは「現在の会社で人を採用する時に、これから妊娠をする可能性がある人を不採用にしていたため」(女性)、「育児休暇を男性が取得できる環境が整っていない」(男性)、「常に結婚時期など先々の予定を問われる。それによっては任されない仕事、逆に押し付けられる仕事が出てくる」(女性)といったコメントが寄せられた。
調査は10月24日〜11月21日にインターネットで実施。第二新卒として就職活動中の20代男女340人(男性:134人、女性:201人、性別未回答:5人)から回答を得た。
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