「1億円受注」「案件獲得2倍」 NTTPCのインサイドセールス改革が成功した2つの理由:全部門が同じKPIを追う(1/3 ページ)
ネットワークやデータセンター事業を手掛けるNTTPCコミュニケーションズは、2020年に営業組織の大規模な改革を実施し、その一環でインサイドセールス組織を立ち上げた。その結果、1億円規模の大型案件の受注や新規獲得件数の倍増など、目覚ましい成果を上げている。
ネットワークやデータセンター事業を手掛けるNTTPCコミュニケーションズは、2020年に営業組織の大規模な改革を実施し、その一環でインサイドセールス組織を立ち上げた。その結果、1億円規模の大型案件の受注や新規獲得件数の倍増など、目覚ましい成果を上げている。
大きな成果を上げた要因の一つに、「全部門が同じ目標を追う」という同社のこだわりがある。組織の壁を越えて、会社全体の視点で課題に取り組む同社の姿勢は、どのようにして生まれたのか。佐村俊幸CMOに、改革の背景や具体的な取り組み、成功の要因について話を聞いた。
収益減少、営業が「なんでも屋」に……
NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は、ネットワーク事業を中心にクラウドやセキュリティサービスなど幅広いITソリューションを提供している。
同社は2018年から2019年にかけて、会社の収益が5%ほど減少するという課題に直面していた。
佐村氏はその原因を「営業が目の前の案件に集中しすぎてしまい、新規獲得はもちろん、既存のお客さまへのフォローにも手が回っていなかった。その結果、解約が続いてしまった」と話す。当時は営業が「なんでも屋」状態で、カスタマーサクセスの領域も担っていた。さらに2020年には、新型コロナウイルスの影響で顧客への訪問も困難になり、既存の営業スタイルに限界を感じたという。
これらの課題に対応するため、同社は2020年7月に会社全体の営業組織の見直しを決定。その一環としてインサイドセールス組織の役割を明確に位置付けることにした。
営業組織の見直しにおいて、重視したのは営業プロセス全体の最適化だ。インサイドセールスの役割を単体で定義するのではなく、営業プロセス全体の中でどんな役割を担うのか、その位置付けを明確にした。佐村氏は次のように強調する。
「インサイドセールスをただ立ち上げるのではなく、上流から下流まで同じ目標に向かっていく組織設計が非常に重要。新規顧客獲得からカスタマーサクセスまでを包括的に担える組織への変革が、今回の改革の本質だ」
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