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「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/6 ページ)
この認識のズレが、若手社員の成長を阻害する要因にもなっている。
「お前はどうしたい?」しか言わない上司3つのタイプ
このフレーズだけを連発する上司には、次のような3つのパターンがある。
- 答えを持っているのに教えたがらない
- 答えが分からないので尋ねる
- 答えを教えるべきなのに優越感に浸りたい
第1に、答えを持っているのに教えたがらないパターンだ。
「大きな商談が入っているのに、先輩から勉強会の講師をやってくれと言われています。どうしたらいいですか?」
部下からこのような相談を受けたとしよう。今回の大型商談を決めないことには、今期の目標達成が見えない。勉強会の講師なんて引き受けている場合じゃないだろう。そう上司は言いたいが、それでも、
「お前はどうしたい?」
と尋ねる。部下に考えさせることで成長を促したいからだ。考えあぐねて焦っている部下を見ても冷静に対応する。
「そんな顔をしても、答えは教えないぞ。お前はどうしたい? よく考えるんだ」
第2に、上司自身も答えが分からないので尋ねるパターンだ。
「お客さまの課題解決の提案をしたいと思っています。しかしいろいろとヒアリングしたら課題が山積みで……。どこから手をつけたらいいのか分かりません」
部下からこのような相談を受けたとしよう。しかし上司も判断がつかない。あまり深く考えたことがない上司は、具体的な事情を知っても答えを見いだすことができそうにない。適切なアドバイスも思い浮かばない。そういう場合、
「お前はどうしたい?」
と尋ねて逃げるのだ。部下に考えさせるためではなく、自分の中に答えがないのでそう問いかけるしかないのだ。
「考えても分かりません。課長はどう思いますか?」
と聞かれても、
「大事なことは、お前がどうしたいか、だ」
と言って逃げる。
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