連載
「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/6 ページ)
この認識のズレが、若手社員の成長を阻害する要因にもなっている。
優越感に浸りたいだけ?
第3に、答えを教えるべきなのに優越感に浸りたいパターンだ。このパターンが厄介である。
「お客さまから財務分析をしてくれと言われました。資料作成についていろいろと教えてください」
部下からこのような相談を受けたとしよう。しかしマウントをとりたい上司は、こう尋ねるのだ。
「お前はどうしたい?」
と。部下が財務分析に関してそれなりの知識、経験があるのならこのように考えを促してもいいだろう。しかしもし前提知識や経験が足りない場合は、考えようがない。
「どうしたい? と聞かれても、まったく経験がないんで」
「あれ? 社内研修で習っただろ?」
「研修で習いましたけど、基本的なことしか教わってません」
仮説も立てられないような部下であれば、答えを教えてあげるべきだ。
「まず直近3期の財務諸表を準備してくれ。そして企業の状況を把握したあと、安全性分析から始めるか、それとも収益性分析や生産性分析でいくか決めよう」
このように助言すれば、
「分かりました。まずは財務諸表を準備します」
と部下は答えられる。さすが上司だ、明確なアドバイスをもらえた、とホッとするだろう。反対に、
「お前はどうしたい、と俺は聞いてるんだ」
と言い続けたら、どうか。部下の安心安全の欲求は満たされない。一歩間違えれば「ハラスメント」と受け止められる可能性もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
令和のバーキン? 今年も人気 ユニクロのバッグ、秋冬向けに改良も「在庫ほとんどない」
ユニクロが2024年秋冬最新モデルとして販売した「ラウンドショルダーバッグ/キルト」が今年も人気だ。
「うどんみたいな布団」が突如爆売れ、Xで16万いいね 「売れたらラッキーくらいに思ってた」と担当者
Xで「万バズ」となった「うどん状の布団」。一体どのような商品なのか。
ぬれる“スキ”を与えない傘はなぜ生まれた? 見過ごされがちな感情にヒント
テストマーケティングの事例から学ぶヒット商品開発のカギ。見過ごされがちな感情に隠されたヒントがある。
富士通ゼネラル製「クーラー付きリュック」がヒット きっかけは会社まで徒歩20分、汗だく社員の悩みから
空調機メーカーとして知られる富士通ゼネラルが、「クーラー付きリュック」を開発し、売れている。
4万円超え、バルミューダ「扇風機」好調 支持されたポイントは?
バルミューダの扇風機ブランド「GreenFanシリーズ」が、立ち上げから15年が経過した今好調だ。
