会議を「全員やる気を失う時間」にしてしまう、3つのありがちな社内ルール:「キレイごとナシ」のマネジメント論(6/6 ページ)
ルールが適切でないと組織の空気は緩くなり、社員のやる気も失われていく。
「役割分担のルール」とは
3つ目は「役割分担のルール」だ。
例えば営業は営業活動に集中し、それ以外の業務はアシスタントに任せるなど、明確な線引きをしたい場合がある。そのようなときに、こういったルールは便利だ。厳格に運用することは難しいが、明らかに役割分担が甘いと、
「その業務はアシスタントに任せるルールだったはず。ルールを守らないなら、評価を下げるぞ」
このように指導できる。もしもルールが守られなければ、定性評価として盛り込むのが現実的か。
4つ目は「状態のルール」だ。これは一見分かりづらいかもしれない。
- 「元気よくあいさつする」
- 「しっかり報連相をする」
- 「積極的に問題提起する」
- 「部下の言葉を傾聴する」
こういった心掛けをルールとして設定する組織がある。しかしルール化して管理していいかどうか、なかなか判断が難しい。判断する人の主観によって、ルール違反かどうか分かりづらいからだ。
このように、規則、ルール、慣例、心掛け……といったものを使い分けるのは難しい。ただ、共通しているのは「前提」ということだ。会議をしている最中に、これらの前提が浸透していることで、
「事前に資料を確認し、おかしいところがあれば積極的に問題提起するのは常識だろう」
「どうして会議の時間を使ってそんなことを報告するんだ。そういうことは前もって報告するように、いつも言ってるじゃないか」
このような苦言を呈す必要がなくなる。細かいルールを作ってイチイチ管理する手間が省けるのだ。
生産性の悪い会議をし続けると、組織全体の生産性も悪くなる。会議のルールを正しく設定することで、部下も健全に成長するだろう。上司も部下も同じ方向を向いて仕事をするためには、適切なルール設定が必要なのだ。
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