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「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ「キレイごとナシ」のマネジメント論(5/7 ページ)

上司から「自責の念を持て」「他人のせいにするな」と言われた経験はないだろうか。

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上司の責任放棄を助長する

 新商品企画のブレストでのこと。若手社員のCさんが人員不足を指摘した。品質を検証するベテランの意見、知恵が必要と訴えたのだ。

 すると部門長は眉をひそめ、

 「人員が足りないというのは他責思考だ。知恵を絞って自分で何とかしろ」

 と一蹴した。本来なら部門長が解決すべき人員配置の問題を「他責にするな」という言葉で棚上げにしたのだ。結局、改善されずにプロジェクトは進められ、品質に問題が生じた。しかし部門長は、

 「まさかこんな品質管理もできないとは想像していなかった。私の人選ミスかな」

 とCさんを叱責。上司としての責任を放棄し、全てを部下の努力不足に転嫁したのである。

 このように「自責思考」を過度に要求すると、部下に過度な負担を強いる危険性がある。ときには上司の無責任な逃げ道にもなってしまう。

 大切なのは適切なバランスだ。部下の努力を促すことは必要だが、それは上司や組織の責任を放棄することではない。

 では、どのように指導したらいいのか?

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