“残念な上司”が作る「会議資料」の特徴 ムダをなくす3つの改善策は:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/4 ページ)
会議資料を一目見ただけで、その上司が「できる人」か「残念な人」かが分かる。
生産性をアップする資料へ 3つの改善ポイント
では、どうしたら組織の生産性を上げられるのか? 資料を改善するには、以下の3点を意識すべきである。
- 入力項目は最小限にする → 本当に必要な情報だけを集める
- 問題点を分かりやすくする → 折れ線グラフ、帯グラフを使い、色分けや記号で異常値を可視化する
- 組織全体で統一する → マネジャーが変わっても継続して使用する
一つ一つ解説していこう。
記入する項目は最小限にする
資料の項目は、最小限に抑えるべきである。必要なのは、本当に議題に関連する情報だけだ。余計な項目を盛り込むと議論の焦点がぼやける。
例えば、売上データを提示する際には、「期間」「売上額」「目標とのギャップ」など、議題に直接関連する項目だけを記載するのが望ましい。
「特記事項」や「反省点」など、個人の主観的な思いや認識などは記入させない。バイアスのかかった個人の意見に振り回されてしまうことになる。
問題点を分かりやすくする
会議資料では、問題点を一目で把握できるように工夫すべきだ。
例えば売り上げ推移を示す際に、折れ線グラフを使用して月ごとの増減を可視化すると、どの時点でどのような問題が発生しているかが一発で分かる。
さらに、目標未達の箇所を赤色で強調したり、異常値に矢印や吹き出しを加えると、見落としが防げる。同様に、プロジェクト進捗を示す場合も、進行が遅れているタスクに黄色や赤色でハイライトを付けると、問題箇所が視覚的に分かりやすい。
ここで、筆者が作成したスライド例をご覧いただきたい。KPIマネジメント資料においては、(1)空(事実:現状の説明)、(2)雨(解釈:現状がこのまま続くとどうなるか)、(3)傘(対策:現状への打開策)を、グラフと文章で相互につなげることが重要だ。
組織全体で統一する
資料のフォーマットや作成ルールは組織全体で統一することがキホンだ。効率的な情報共有のために欠かせない。
例えばAmazonのWebサイトを見てほしい。本を買うとき、家電製品を買うとき、おもちゃを買うとき、どんなシチュエーションでも同じような色合いと配置をしている。画面が遷移してもユーザーが迷うことがない。これは他のWebサイトでも同じだ。
資料も同じように、資料のフォーマット、タイトルのつけ方、記入項目の配置など、できる限り統一しよう。
各部署で異なる資料形式を使用していると、データの比較が難しくなるし、よけいなノイズが入って、会議中に不必要な説明が増えてしまう。ある企業では資料のテンプレートを導入した結果、資料作成にかかる時間が削減されるだけでなく、議論の質までもが向上した。
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