連載
仕事のミスを隠そうとする部下、掛けるべき「一言」:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
「申し訳ありません……」。上司から「なぜミスを隠したのか?」と問われ、若手社員は俯いたまま何も答えられなかった。
上司が掛けるべき「一声」とは?
部下がミスを報告してきたとき、まず上司は「このミスは5つのタイプのどれに当てはまると思う?」と尋ねるべきだ。そうすることで部下は自分のミスの性質を理解できる。
もし、ミス5種類についても知識不足なら、この機会に教えてあげよう。ミスなんて、なかなか起こることではない。常に5種類を頭に入れている部下なんていないだろう。問題解決力アップにもつながるため、丁寧に対話しよう。
ヒューマンエラーによるミスなら、部下に「どうしたらこのミスを防げるか、考えてみよう」と対策を考えさせる。一緒に考える必要はない。再発防止策もレパートリーは限られている。
しかしそれ以外のタイプのミスなら、「このミスは組織全体の問題かもしれない。一緒に考えていこう」と声をかける。
知識やスキル不足によるミスなら、本人のみならず上司も対策を考えるべきだ。今回は他の人に依頼すべきだったのか、それとも仕事をしながら知識やスキルを身につけさせるべきだったか。本人の意向も踏まえて再発防止を考えよう。
コミュニケーション不足によるミスなら、組織のレポートラインなどを確認しながら丁寧に問題の箇所を特定しよう。
「Kさんから説明はなかったの?」
「いえ、ありませんでした」
「おかしいな、Kさんに説明しておいたのに……」
Kさんに問いかけたところ「うっかり忘れてました」と言うなら、Kさんによるヒューマンエラーということになる。
しかし、Kさんの「感情的な部分」に問題があるケースもある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇
この認識のズレが、若手社員の成長を阻害する要因にもなっている。
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下が報連相しようとしたときの上司の何気ない「ある一言」が、部下の心を萎縮させているのだ。
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。
「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ
上司から「自責の念を持て」「他人のせいにするな」と言われた経験はないだろうか。
“残念な上司”が作る「会議資料」の特徴 ムダをなくす3つの改善策は
会議資料を一目見ただけで、その上司が「できる人」か「残念な人」かが分かる。