インタビュー
悲しいほど売れなかった「刻みのりハサミ」、“名前を変えただけ”で100万本超の大ヒット商品に(3/4 ページ)
「見方を変える」だけで商品価値が劇的に変わる──。新潟の中小企業が仕掛けた、売れないハサミを大ヒット商品に変えた逆転のマーケティング戦略とは。
「金太郎あめ型ゆで卵」に「片足スリッパ」 商品開発の試行錯誤
アーネストには、こうした独創的な発想で商品開発を行う文化が浸透している。創業当時から販売を続ける「ドリームランド」は、その代表格だ。
断面に星やハートの模様が浮かび上がる“金太郎あめ”のようなゆで卵が作れる調理器具である。卵の白身と黄身を分け、白身を先にゆでた後に黄身を入れるという手間のかかる製法だが、細く長く売れ続けているという。
「つばめのパンナイフ」というパン切り包丁は、2、3カ月待ちが出るほどの人気商品だ。一般的なパン切り包丁は刃全体にギザギザが付いているが、このナイフは先端と手元側だけにギザギザを配置。真ん中はストレートな刃を採用することで、パンの形が崩れにくくなるという。
もちろん、全ての商品が成功するわけではない。宅配便の受け取りなど、ちょっとした外出時のために開発された「ひょいと一歩 足de纏(あしでまとい)」も、同社らしい発想の商品だ。
前後左右どちらからでも履ける片足用スリッパだが、あまり売れなかったという。「『あしでまとい』という言葉のイメージが良くなかったかもしれません」と高橋氏。当時の社長が命名にこだわったものの、ネーミングの成否については今でも社内で話題に上がるという。
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