タスクが終わっていないのに何も報告しない部下、実は上司が悪いワケ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)
仕事の現場では、しばしば「タスク」という言葉が飛び交う。しかし、このタスクという概念を正しく理解せずに使っている人も多いようだ。
まずはタスクを正しく理解する
それでは、まずタスクについて簡単に触れていこう。
タスクとは、プロジェクトを細かく分解し、スケジュールに載せられるくらいの作業単位を指す。必要な手順を曖昧(あいまい)にしたまま「やっておいて」と指示すれば、部下は何から着手していいか分からずに戸惑う。結果として、いつまでもタスクが終わらず、しかも何の連絡もないいまま放置される。
だから、まだタスク分解に不慣れな部下に対しては、積極的に上司が関与してアドバイスしてあげよう。
例えば「部屋を片付けて」といわれると、何から手をつければいいのか分からない場合がある。そのため「机の上の書類を整理する」「本棚に本を戻す」といった段階まで分解してみよう。そうすれば取り組みやすくなる。
ビジネスでも同様で、タスクが「企画書を作って」「市場の分析して」だけでは曖昧すぎる。何の資料なのか、誰に向けて作成するのか、どんなフォーマットか、締め切りはいつか。そこまで明らかにならないと、本当に必要なタスクが見えてこない。
つまり重要なのは「要素分解」だ。この分解が甘いと、タスクという作業に分解できず、先送りの習慣から抜け出せなくなる。
タスクを分解しないまま放置すると何が起こるか
タスクを適切に分解しないまま放置すると、さまざまなトラブルが起こりやすい。最も起こりやすいのが、部下自身が行動の第一歩をイメージできずにストップしてしまうこと。指示された仕事は頭の中で理解したつもりでも、具体的な作業を把握していないと手が付けられない。
この状況で部下が何も報告しなければ、上司はどうすることもできない。いよいよ提出直前に「間に合いません」といわれても、すでに挽回できない状況になっているだろう。
修正や追加作業が山積みのまま期限切れ、社内外の信用に影響が出るかもしれない。こうした事態に陥ると、上司は部下の動きを疑うようになる。そしてマイクロマネジメントが始まり、部下は上司からの過干渉に不満を抱く。こうして負のスパイラルに陥るのだ。
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