「まずは自由にやってみ?」→後からダメ出し 若手をつぶすダメ上司のフィードバック3選:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
フィードバックは誰にだってできる。しかし正しいフィードバックをするためには、相応の知識と経験が必要だ。
上司がやりがちな間違ったフィードバック3選
上司がやりがちな間違ったフィードバックは、主に3つある。
- 定期的なフィードバック
- 抽象的なフィードバック
- 又聞きのフィードバック
1つ目の「定期的なフィードバック」について解説しよう。
上司は1on1ミーティングと称して会議室に呼び出し、定期的にフィードバックすることが多い(定期面談と呼ぶこともある)。そして、
「イベント集客はどう?」
「集客がうまくいってないようだけど、目標設定から間違ってたんじゃないかな」
「インスタグラムで集客できるなんて、誰から教えてもらった? 取引先の経理部長がインスタをチェックすると思う?」
既に終わったことを、会議室でフィードバックする。これでは参考にならない。
2つ目が「抽象的なフィードバック」について。
繰り返すが、フィードバックは、「すぐに・その場で・具体的に」が基本だ。だから現場を見て、その場でしないと、具体的なフィードバックはできない。
定期面談や1on1ミーティングでは、
「なぜ商談が前に進まないか分かりません。何かフィードバックをお願いします」
といわれても、商談を見ていない上司は具体的なことを言えない。
「お客さまのニーズをしっかり捉えてないからじゃないかなァ」
「そんなことないと思うんですけど」
「うーん、でも、もっと質問力は鍛えたほうがいいぞ。君の同期のJさんも、質問力を鍛えてから変わったから」
このような抽象的なことに対しては、抽象的なフィードバックしかできない。だから、すぐに、その場で……を心掛けるのだ。そうすることで、
「一緒に商談に参加してよく分かった。オープンクエスチョンを使いすぎだよ」
「君が話す量が多すぎるよ。お客さまにもっと話をさせないと。例えば、こんな質問をしてみたらいい」
自然と具体的なフィードバックができるようになる。
3つ目の又聞きのフィードバックは、最悪だ。
「そういえば2カ月前のイベントのことだけど、SNSでプロモーションしたらしいじゃないか。そんなやり方じゃあ、うまくいかないよ」
このような、結果が出て、随分たった後のフィードバックをされても気分を害するだけだ。しかも、本人はその場にもいないし、誰かから聞いた話を参考にフィードバックしようとしている。こんなやり方では信頼関係を壊しかねない。
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