コラム
部下もあきれる「自己陶酔型リーダー」に共通する“話し方”:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
部下たちは形だけ聞いているふりをするが、おそらく何も頭に入っていないだろう。
理想的な上司はタイプに合わせた伝え方を知っている
理想的な上司ならどうするか? そのような上司は、個々の部下の特性を見極め、相手に合わせた伝え方ができる。
あるコンサルティング会社の事業部長は、データ分析に長けた論理派の部下には詳細なデータを提示し、じっくり丁寧に解説する。しかし感覚派の部下には、まず結論から伝え、その後に必要最小限のデータで補足するスタイルを取った。
先日も、感覚派の若手に新しいマーケティング戦略を説明する場面があった。部長はまず大量のデータを準備していたが、説明をはじめる前に部下の表情を洞察し、アプローチを変えた。
「実はこの戦略については、かなり詳細なデータを分析してみたんだ。いろいろとデータはあるけど、あとで見てほしい。要するに私が言いたいのは、われわれは20代の女性顧客層に集中すべきだということだ。この層が最も成長率が高く、LTVも高いからだ」
この説明を聞いた部下は、霧が晴れたような表情をして、「よく分かります。具体的に何から始めればいいですか?」と前向きな返事をした。データありきではなく、「誰に」「何を」「なぜ」という本質を先に伝えることで、部下の理解度と実行力が劇的に向上するのだ。
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