若手に嫌われる「メタボな話し方」、3つの特徴 心を打つ話法のコツとは?:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)
今回はタイパを重視する若手社員とのコミュニケーションに役立つテクニックを紹介する。
ピラミッドストラクチャーを実践する4つのステップ
ピラミッドストラクチャーを使いこなして指示を出すには、以下の4つのステップで話を組み立てる。具体的ステップは次の通り。
- テーマの提示:何の話かを一言で示す
- 結論の提示:何をしてほしいのか簡潔に伝える
- 根拠の説明:結論の根拠を3つほど示す
- 事実の補強:根拠を支える具体例・エビデンスを示す
※そして最後にもう一度結論を繰り返し、行動を促す
このような4ステップを意識して話せば、1分程度で要点が伝わる。新人も優先順位を理解できる。タイパを重視する若手社員にとっては、このような簡潔明瞭な指示が歓迎されるはずだ。
効果的なピラミッドストラクチャーを作る3つのコツ
それでは、さらにピラミッドストラクチャーを作るコツについても紹介したい。以下の3つは頭に入れておこう。
根拠は「MECE」で検討する
根拠を考える際は、「MECE(漏れなくダブりなく)」の原則で検討しよう。ただし、若手社員に全ての情報を伝えるのではなく、重要な要素を3つ程度に絞ることがポイントだ。「あえて削る」のと「漏れている」のは別物である。
例えば営業部長が案件の重要性を伝える場合、「売り上げへの貢献度」「競合の動き」「顧客からの期待」の3点に絞り込むことで、新人営業も要点を押さえやすくなる。タイパを意識した情報の取捨選択が重要だ。
事実には「生々しいエピソード」を入れる
数字やデータだけでは若手社員の心に響かない。具体的で生々しいエピソードを加えることで、感情に訴えかける効果が高まる。
「A社は重要顧客だ」という抽象的な説明ではなく、「先月、A社の社長が当社の本部長と会食し、将来的な取引拡大について前向きな発言をしていた」といったエピソードを加えれば、新人営業も案件の重要性を実感できる。
新人の質問に備えて準備する
ピラミッドストラクチャーで話した後は、新人からの質問に備えよう。とくにタイパを重視する若手社員は、必要な情報を短時間で得たいと考えている。
「この提案書のフォーマットはどこにありますか?」
「過去の提案事例はどこあら参照できるますか?」
「作成スケジュールはどう組めばいいですか?」
などの実務的な質問に即答できるよう準備しておく。そうすることで、無駄な時間を削減できる。
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