連載
仕事が遅い部下に“あるテクニック”を教えたら、「チーム全体の残業時間」が3割減ったワケ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)
仕事の効率化や部下育成に悩む上司やリーダーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
先送りする部下が自ら変わるとき
人が仕事を先送りする理由はさまざまだ。「時間があると思って後回しにする」「複雑な仕事に手を付けるのがおっくう」「完璧にしなければと思い込んで手が止まる」など、心理的なハードルが原因になっていることが多い。
先送りを繰り返す若手社員は、いつも締切直前になって慌てて仕事に取り組み、結果的にミスも増えていた。上司は何度も注意したが、一向に改善が見られなかった。
ある日、その上司は外部から来たばかりの元コンサルタントの中堅社員に相談した。元コンサルタントは「タイムボクシング」という手法を提案したのだ。
「タイムボクシング」4つの手順
タイムボクシングとは、タスクごとに明確な時間枠(タイムボックス)を設定し、その時間内で作業を進める時間管理法だ。具体的には次のステップで行う。
- 全てのタスクを書き出す
- 各タスクの優先順位を決める
- 各タスクに取り組む具体的な時間枠を設定する
- 設定した時間内で集中して取り組む
問題を抱えた若手社員は最初、半信半疑だった。しかし、元コンサルタントが「まずは一日だけやってみよう」と提案したことで、試してみることにした。
朝の9時から10時は「営業資料の作成」、10時15分から11時は「メール処理」、11時15分から12時は「お客さまのアポ取り」というように、一日の計画を立てた。そして実際に取り組んでみたところ、思いがけない変化が起きたのだ。
これまではメールが来るたびに反応したり、思い付きでお客さまに電話したりして、場当たり的に作業をしていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。新入社員「Web会議でカメラオンにする必要なくないですか?」 上司のあなたはどう答える?
「上司として、どう答えていいか分からなくて……」 ある大手製造業の部長から相談されたのは、不思議な話だった。部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇
この認識のズレが、若手社員の成長を阻害する要因にもなっている。部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下が報連相しようとしたときの上司の何気ない「ある一言」が、部下の心を萎縮させているのだ。