丁寧に教えているつもりでも...上司は「部下離れ」をすべき、3つの理由:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)
最近、入社4年目の部下に距離を置かれている気がする。それはなぜか。
上司こそ自分のキャリアに集中すべき理由
実のところ、過干渉になる上司の多くは、自分自身のキャリア形成に課題を抱えている。部下のことばかりに気を取られて、肝心の自分の成長を怠っているのだ。上司が自分のキャリアに集中すべき理由は3つある。
時代の変化についていけなくなる
部下の面倒を見るだけで満足していると、新しいスキルや知識の習得がおろそかになる。例えばDXやAIといった技術革新に対応できず、組織から取り残されてしまう。ある製造業の部長は、部下の指導に忙殺されるあまり、業界のデジタル化に乗り遅れ、結果的に部門全体が競争力を失った。
マネジメントの本質を見失う
過干渉な上司は、しばしばマネジメントの本質を見誤っている。マネジメントとは「リソースを効果効率的に配分すること」だ。部下の細かい作業に口を出すのではなく、チーム全体の目標達成に向けて戦略を練るのが本来の仕事である。
何をやるべきで、何をやるべきでないか。これを決めるのが戦略だ。部下の作業レベルに固執していては、真の管理職として成長できない。
後継者育成の機会を逃す
過干渉な上司のもとでは、優秀な部下が育たない。結果として、自分が昇進する際の後継者がいなくなってしまう。これは組織にとっても個人にとっても大きな損失だ。ある商社の課長は、部下への過度な干渉により優秀な人材を次々と他部署に転出させてしまい、最終的に自分の昇進の機会を逸した。
まとめ
上司が自分のキャリア開発に時間とエネルギーを注げば、部下への過干渉も自然と減る。経営戦略の勉強、新しいマネジメント手法の習得、業界動向の分析など、やるべきことは山ほどある。
部下を信頼して任せることで、自分は本来の上司としての仕事に専念できるのだ。もっと自己中心的に考えたほうがいい。
部下の成長を本当に願うなら、過干渉は逆効果だ。適切な距離感を保ちながら、必要なときだけサポートする。これが現代のマネジャーに求められる姿勢である。
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