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「マツダCX-60」はスタートラインに立てたのか “フルボッコ”試乗会からの逆転劇高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

乗り心地に難があったマツダCX-60は、マイナーチェンジによってどう変わったのか。快適性が高まり、生まれ変わったと思えるほどの変化を感じた。エンジンの進化も続いており、今後もクルマとしての魅力を高める取り組みに期待できそうだ。

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大幅な仕様変更、乗り味はどう変わったか

 それから2年。熟成を経て、再びCX-60のステアリングを握る機会をもらった。それはまさに生まれ変わったと言っていいほど劇的な変化を感じさせるものだった。

 一言で言えばジェントルに、コンフォートになった。それでもCX-60らしさは健在。いいあんばいになった、というのが当てはまる言葉だろう。

 シャープなハンドリングは適度に落ち着いたものになった。特にリアサスペンションの支持剛性がやや抑えられて、操舵の応答時にリアタイヤが前後左右に動く余裕のようなものを感じる。

 それでも確実にその動きには芯があることを感じさせるのだ。それは乗り心地で一瞬感じるしっかり感から来る硬質なフィールや、ステアフィールの確かさ、シートが支えてくれる感触による。

 特に気になる後席の乗り心地についても、市街地を中心に数時間移動してみたが、まったく不満はないレベル(道路の凸凹のひどさは気になるが)。後席でノートPCを開いて仕事できる程度だと聞けば、快適さの度合いが分かるだろうか。


ボディサイズは大きいが、フットワークは軽く、市街地や山道でも持て余すようなことはなかった(写真:meiju0919)

 燃費もマイルドハイブリッドの恩恵で、市街地でも高速道路でも渋滞でも、1リットル当たり17〜18キロの間で大きな変化はない。燃料が軽油ということもあって、燃料代はかなり安いと感じた。

 1500キロを走破して、燃料代が1万2000円程度で済むのは、ガソリン車で言えば1リットル当たり22.5キロ程度に相当する燃費だ。これだけのサイズが生むゆったり感と加速性能、先進装備を考えると、このクルマの価格設定はバーゲンプライスだと思わされる。

 アイドリングストップの始動時や加速時に、ディーゼルエンジンの存在感を感じることはある。それが気になるようならEVを選択すればいいだろう。ディーゼルらしさを完全に取り除くことは技術的にも難しく、それ自体がそもそもナンセンスだと思う。

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