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「マツダCX-60」はスタートラインに立てたのか “フルボッコ”試乗会からの逆転劇高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)

乗り心地に難があったマツダCX-60は、マイナーチェンジによってどう変わったのか。快適性が高まり、生まれ変わったと思えるほどの変化を感じた。エンジンの進化も続いており、今後もクルマとしての魅力を高める取り組みに期待できそうだ。

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詰めの甘さを感じた部分も

 「このクルマもやっとスタートラインに立ちました」。そう言った広報担当者の言葉も納得であるが、気になった点がないわけではない。それは装備類の詰めの甘さで、今どきカーナビがタッチパネルにも音声入力にも対応していないのは不便だ。

 それでもAppleの「CarPlay」に対応しているので、iPhoneで目的地を入力しておけば、車体側への共有だけで設定できる。だが、車両側の交通情報とCarPlayでのナビ、それにラジオなどの音量をそれぞれ調整しようと思うと、調整する場所がバラバラなので、使いにくかった。

 先進運転支援システムである「i-ACTIVSENSE」の各機能も充実しており、大柄なボディを乗り回すためのサポートが豊富にあった。特にフロントカメラの視界が切り替わり、ボンネット先端の左右の視界を確認できる機能は、駐車場から出て歩道を横切るときなどに大変ありがたかった。


高速道路をACC(アダプティブクルーズコントロール)とLAS(レーンキープアシストシステム)を使って巡航中の筆者。雨天走行でもよほどの荒天でなければ正常に機能してくれた。タンレザーの内装は上質で優雅だ(筆者撮影)

 それでもダッシュボード上のモニターサイズの問題で、360度ビューは画面が小さく、周辺の情報がやや見にくいと感じた。ブラインドスポットモニターやリアカメラの視界、左右のドアミラーによって車庫入れはできるので問題はなかったが、せっかくの360度モニターが使いにくいのは残念だった。

 こうしたささいな問題点は残るものの、車格はもちろんのこと、内装のデザインや仕立ての良さ、走行性能、燃費などを考えれば、筆者が試乗したXD-HYBRID Premium Sportsの車両価格の約570万円は、やはりバーゲンプライスだと思った。

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