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「前にも言ったよね」が職場を壊す――部下が動き出す“言い換えマネジメント”の技術「キレイごとナシ」のマネジメント論(5/5 ページ)

同じミス、遅い進行、伝わらない指示──その原因は上司の“ひと言”かもしれない。部下のやる気を奪わず、自然と動かす言葉の選び方とは? トップコンサルタントが教える、職場の空気を変えるマネジメントの言語戦略。

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部下の主体性を引き出す質問術

 最後に、部下の主体性を引き出す話し方を紹介しよう。指示や注意ではなく、質問によって気付きを促すやり方だ。

 「この仕事の目的は何だと思う?」

 「どんな進め方が効率的だと思う?」

 「何か困っていることはない?」

 このような開かれた質問(オープンクエスチョン)を投げかける。部下自身に考えさせ、答えを導き出させる。上司は聞き役に徹する。

 質問のコツは、詰問調にならないことだ。「なぜできなかったの?」ではなく「どうしたらできると思う?」と未来志向で問いかける。

 部下が答えに詰まったら、選択肢を提示する。「AとBの方法があるけど、どちらがいいと思う?」このように誘導する。

 主体性は一朝一夕には身につかない。しかし質問を重ねることで徐々に育っていくものだ。部下が自ら考え、行動するようになる。

 上司であれば「前にも言ったよね」と言いたくなる瞬間は必ず訪れる。しかし、そういった言葉を言わなくてもいいようにすることが、上司の役目でもある。

 部下の性格を見極め、最適なアプローチを選ぶ。時には我慢も必要だ。しかし、その努力が部下の成長につながり、チーム全体の成果となって返ってくる。マネジメントに悩む上司こそ、これらのテクニックを実践してもらいたい。

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