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なぜ、仕事ができない人ほど「コツ」を知りたがるのか?「キレイごとナシ」のマネジメント論(7/7 ページ)

成果が出ない部下ほど「秘訣」や「コツ」に飛びつく――それはなぜか? 現場での20年超の支援経験から見えた理由を解説する。

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基本ができたときに秘訣が威力を発揮する

 最後に、基本と秘訣の関係を整理しよう。

 基本は土台である。秘訣は装飾である。土台がしっかりしていない建物に、いくら豪華な装飾を施しても崩れてしまう。

 カレーの例に戻ろう。プロの料理人に「おいしいカレーの秘訣」を聞いたとする。

 「タマネギは3種類使い分ける」

 「仕上げに生クリームとカシューナッツペーストを」

 これらは確かに秘訣だ。しかし料理の基本ができていない人には、宝の持ち腐れである。包丁の使い方、火加減の調節、味見のタイミング。これらの基本技術があってはじめて秘訣が効果を発揮するのだ。

 仕事も同じだ。営業なら訪問量。企画なら情報収集。経理なら正確性。どんな職種にも押さえるべき基本がある。この基本をおろそかにして、秘訣ばかり追い求めても成果は出ない。

まとめ

 仕事ができない人ほど秘訣を知りたがる。理由は明白だ。基本的なことをやりたくないからだ。地味で退屈で時間がかかる基本活動を避け、楽して成果を出す方法を探しているのだ。

 しかし現実は厳しい。秘訣やコツは、基本ができている人にしか効果がない。

 まずは基本に立ち返ろう。退屈でも、地味でも、時間がかかっても、基本を徹底することだ。1年間基本を続ければ、一般的なビジネスの成果は出ると信じよう。そして基本ができたとき、初めて秘訣について思いを巡らせてみるのだ。

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