「ムリ・ムダ・ムラ」で、一番削減すべきなのは? “目標達成できない人”が目を向けるべきポイント:「キレイごとナシ」のマネジメント論(1/6 ページ)
目標達成のために削減すべきとされる「ムリ・ムダ・ムラ」。ただし、多くの人が、削減すべきポイントを間違えている……。
「キレイごとナシ」のマネジメント論
常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。
「ムリ・ムダ・ムラ」とはよく言われるが、多くの人はこれらの意味を正しく理解していない。製造現場で働く人以外でも、この概念はとても重要だ。
そこで今回は、普段から効率的に目標を達成している人たちが、「ムリ・ムダ・ムラ」の中で最も意識的に削減している要素について、ランキング形式で紹介する。効率化に取り組んでいるのに成果が出ない――そんな悩みを抱えている方は、ぜひ最後までお読みいただきたい。
「ムリ・ムダ・ムラ」の本当の意味を理解しているか?
まずは、この3つの言葉の意味を正しく理解しよう。
多くの人が「ムリ・ムダ・ムラをなくそう!」などと、3つの概念を同じものとみなして使っている。それぞれ独立した意味があるため、しっかり理解しておきたい。
- ムリ:能力を超えた負荷がかかっている状態
- ムダ:付加価値を生まない作業や時間
- ムラ:仕事量や品質のばらつき
例えば、営業担当者が月末に100件の訪問をこなすのは、おそらく「ムリ」だろう。不可能ではないだろうが、かなり難しい。また、使われない提案資料を作り込むのは「ムダ」であり、不要な作業だ。そして、月初は暇で月末だけ忙しいのが「ムラ」であり、ばらつきがある状態を指す。
これらは製造業の改善活動から生まれた概念である。トヨタ生産方式では、この3つを削減することで生産性を劇的に向上させた。
ただ、営業やサービス業では事情が違う。製造ラインのように均一化できない人間相手の仕事であるため、優先順位を間違えてはいけない。
著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
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