2015年7月27日以前の記事
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水没車はどんな末路をたどる? 自然災害の増加で自動車ビジネスはどう変わるのか高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

水没車のほとんどは廃車となるが、その後もさまざまな形で活用される。特に海外では、日本で使われなくなった車両や部品も驚くほど有効利用されている。日本でも、リサイクルまで考慮した工夫やシステム構築をさらに進めるべきだろう。

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廃車となったクルマはどうなるのか

 オフロード性能の高いクルマであれば、水没してもダメージは少ない。車内の汚れなども洗浄によって除去できる場合がある。そもそも河川やぬかるみなどを走行しているユーザーにとっては、水没してもエンジンや電装系にダメージが及ばなければ、掃除して乗り続けることも少なくないだろう。

 また、非常に価値の高いクルマ(希少性の高いクルマなど)は、どんなに手間をかけても修復することが多い。

 しかし前述の通り、ほとんどのクルマは水没すると廃車処分となる。それは自動車保険で車両保険に加入しているかはあまり関係ない。

 ちなみに車両保険でも、水没車の扱いはいろいろと複雑だ。天災による被害は補償の対象外となるケースも多い。ただし、地震による津波は保険金支払いの対象となることもある。このあたりは保険会社や商品によって対応が異なる。各社はこうした補償内容の違いで差別化を図り、価格競争を避けているのだ。


交通事故によって損傷を受けたクルマも廃車処分となるケースが多い。最近のクルマは衝突安全性を高めるために、車体が大きくつぶれて衝撃を吸収する構造になっている。そのため車体全体にダメージが及ぶため、以前より廃車となる確率は高い(写真:Adobe Stock)

 廃車後のクルマはどういう運命をたどるのか。廃車=つぶされてスクラップ鉄になるだけ、ではない。そこにはさまざまな活用法があり、廃車ビジネスは年々拡大を続けている。水没車もそのまま中古車で販売されることはほとんどないが、さまざまな形で利用されているのだ。

 ちなみにクルマは、スクラップ処分となっても車体の95%はリサイクルされる、資源リサイクルの優等生である。鉄などの金属はもちろん、ガラスやプラスチックも回収されている。

 ドイツ車などは、2000年頃から積極的にリサイクル素材を部品の原料などに用いてきた。しかし、想定よりリサイクル樹脂の劣化が早く進み、ワイヤーハーネスの被覆がはがれるなどのトラブルが起きたため、リサイクル素材の改良と採用範囲の最適化が進められた。

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