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水没車はどんな末路をたどる? 自然災害の増加で自動車ビジネスはどう変わるのか:高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)
水没車のほとんどは廃車となるが、その後もさまざまな形で活用される。特に海外では、日本で使われなくなった車両や部品も驚くほど有効利用されている。日本でも、リサイクルまで考慮した工夫やシステム構築をさらに進めるべきだろう。
水没車や解体車は“宝の山”?
廃車となった車両は、素材として利用される前にまだまだ活用されている。その方法も決して一つではない。日本の廃車は宝の山なのだ。
昔は解体車両というと、エンジンや変速機を外して積み上げ、車体もシートなどを取り外した状態で重ねて保管するような業者が多かった。しかし現在は、中古部品としてしっかりと管理されるようになっている。
部品が破損し、稼働できない場合など、中古部品としては使えないようなコンディションでも、利用できるパーツはある。エンジンや変速機、駆動系パーツなどは、リビルドパーツのコア(分解整備のベースとなる部品)として使われるのだ。
リビルドパーツの再生には、ベースとなるコア部品が必要だ。そのため通常は、リビルド品への交換を済ませたら、もともと装着されていた部品を送り返す必要があるのだが、状態によっては再生不可能な場合もある。
コアが不足するとリビルド業者は運営が成り立たなくなるので、コアを手に入れる必要が出てくる。そういう理由でコアのみを確保するために、解体車両の部品に需要が生まれるのである。
最近は海外にそのまま輸出、あるいは大まかに切断して部品として輸出されるケースも増えている。日本では経済的価値がなくなった、あるいは極めて低いと判断された車両や機械部品であっても、海外の地域によっては、まだまだ利用価値があるのだ。
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