なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”(3/4 ページ)
10月下旬、なか卯での「床に置かれた食器」の写真がSNSで拡散された。その後のなか卯の対応が適切だったようには感じない。では、どのような対応が求められるのか?
なか卯はどうすればよかったのか? 炎上後の対応
人手不足を印象付けた象徴的な出来事は、2014年の「すき家」大量休業だろう。ワンオペが社会問題化する中で、多くの店舗が「パワーアップ工事中」と称する休業に入った。なかにはそのまま閉店となった店舗も存在する。
また、記憶に新しいところでは、2025年1月にすき家店舗でネズミの混入事案も起きた。あまりに目立ちすぎる異物の混入とあって、目視確認を怠るほどのオペレーション状況なのかと、これまた店舗環境に疑問符が付く形となり、結果的に全店(一部を除く)で一斉休業による対策を余儀なくされた。
個々の事案は「あるある」だとしても、積み重なればNGとなる。おそらくトラブルが起こるたび、現場としては少しずつ改善しているのだろう。しかしながら、一度定着した印象はなかなか拭えない。幾度となく誠意を見せて、まさに“パワーアップ”した姿を見せるしかないのだ。
しかし現状、運営企業側はこうした動きをしていないように見えてしまう。そこが消費者とのギャップを生み、さらなる懸念につながってしまうのではないか。では、今回の件において、なか卯はどうすれば良かったのか。
それは、どれだけささいなことであっても「とにかく早期に対応する」ことだ。今回のケースで言えば、X投稿からJ-CASTの記事公開までは4日間ほどあった。すき家のネズミ混入の件も、発生から事態の公表まで、約2カ月を要した。その間に、公に向けて「ひとまずのコメント」を出すだけでも、消費者が持つイメージは変わっただろう。
SNS投稿を把握した時点で「事実確認中」といった初報を出す。当然ながら、そこで終えてはダメで、調査結果が分かり次第、なるべく詳細に伝えることが重要となる。そして、具体的な再発防止策を示すのだが、これも公表して一件落着とはならない。それらの策が十分に機能しているのか、定期的にフィードバックする必要があるからだ。
古傷に塩を塗るようなことを、自ら行うのは抵抗があるだろう。しかし過去の「やらかし」を払しょくするためには、何度も丁寧に説明していくしかない。「そんな細かいところまで言わなくていいのに……」と、顧客に思わせるところまでいけば満点だ。
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