「ウソでしょ?」過去最高益なのに冬のボーナス減…… 知らないと損する、評価制度の3つの「共通点」:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/5 ページ)
会社は過去最高益なのに、自分のボーナスだけ減るのはなぜか――。その理由は「評価制度を理解していない」ことにある。成果・能力・情意の3基準を踏まえ、評価されるために必要な行動と考え方を解説する。
評価される技術は「心がけ」では身につかない
どのようにすれば評価されるのか?
この命題について、多くの先人たちが書籍に残している。「謙虚になる」「相手の話をよく聞く」「先回りしてニーズをつかむ」といった心構えや精神論はいくらでもある。
しかし、会社の評価に納得がいかない人は、このような心構えを知っても納得はしないだろう。
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。多くの企業の現場に入ってコンサルティングしているため、どのように人を動かし結果を出してもらうか熟知している。
その上で書くと、評価される技術とは次の2つに尽きる。
- 会社の評価制度を確認し、その通りに行動する
- 評価制度で分からないことは上司に質問し、その通りに行動する
驚くほどシンプルだ。拍子抜けした人も多いことだろう。
ところが、この退屈なほどシンプルなことをやらない人がほとんどであることも事実である。ボーナスをもらったあとになって初めて「どうしてこんなに少ないんだ」と愚痴をこぼす。
実のところ、会社の評価制度を確認することもなく、実際に下された評価を「評価」する人がいる。どうすればボーナスが増えたり減ったりするか、その基準や運営ルールを知りもしないのに、ボーナスが支給された後で「少ない」と言うのは変だ。
私はその人たちにこう質問したい。
「ご自身がどうすることで、どのような評価になり、どうすることで、いくらぐらいのお金が増えるか知っていますか?」と。
会社の中で一番評価されない人は、やることもやらずに言い訳ばかりをする人である。評価制度のことを頭に入れていないにもかかわらず、後になってから「評価が低い」「もっとボーナスを上げてほしい」と言う人は、後付けの「言い訳」を口に出す思考プロセスと同じなのだ。
評価が正当かどうか、気になる人は多いだろう。だから会社の評価制度、人事制度をしっかりと確認しよう。それを見ても分からないなら、直属の上司に質問すればよい。
「どうすれば評価がよくなりますか?」
「私は3年以内に年収を600万円まで上げたいです。どうすればいいですか?」
このように部下から聞かれた上司は「よくぞ言った!」と手放しで喜んでくれるはずだ。誰だって上司なら、部下を評価したいからだ。
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