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「30万円以上の初任給? そんなのムリ!」嘆く中小企業の人事部長 どこまで続く“賃上げ格差”:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)
広がりゆく大手と中小の「賃上げ格差」。採用に悩む中小企業はどうすればよいのか。データをもとに解説する。
大企業の賃上げラッシュが止まらない
2025年、大企業の賃上げ競争が過熱している。賃上げの規模、頻度、いずれも異次元のレベルに達している。
ファーストリテイリングは新卒初任給を33万円から37万円に引き上げると発表した。対象はグローバルリーダー候補と呼ばれる転勤前提の職種だ。年収にして約590万円である。
転勤のない地域正社員も28万円に引き上げられる。同社の初任給引き上げは2020年以降4回目だ。6年間で16万円アップという破格の待遇である。
不動産業界も負けていない。オープンハウスグループは2027年度入社の営業職の初任給を40万円に設定した。さらに入社支度金として30万円を支給する。
引っ越し代やスーツの購入費用に充てる名目だ。つまり新入社員は、初めての給料日に70万円を手にすることになる。既存社員の給与も引き上げられ、人件費は全体で1割増加する見込みだという。
証券業界でも同様の動きがある。大和証券グループ本社は2026年度の春闘で5%程度の賃上げを検討中だ。大卒総合職の初任給も30万円から31万円への引き上げを検討している。
注目すべきは、これが5年連続の賃上げだという点だ。累計で約20%の賃上げを実現している。さらに自社株を毎年交付する制度も導入するという。
各社に共通するのは「人への投資」という姿勢である。好業績を背景に、優秀な人材を確保するための競争が激化しているのだ。
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