“サボり”は美徳か、裏切りか? 「効率化」と混同される危険な言葉:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)
業務効率化を「上手なサボり」と呼ぶ風潮が広がっている。しかし、その言葉遣いは組織に静かな毒を回してはいないか。
「サボる」の定義を誤解していないか
まず言葉の定義を明確にしておこう。「サボる」という言葉は、フランス語の「サボタージュ(sabotage)」に由来する。木靴(サボ)で機械を蹴って破壊し、労働争議を行ったことが語源だといわれている。
つまり、本来の意味は「破壊活動」や「怠業」だ。日本の辞書的な定義を見ても、以下のようになる。
- やるべきこと、決められていることを怠る
- 義務や役割を意図的に果たさない
- 仕事や勉強などを、理由なく抜けたり手を抜いたりする
要するに役割や義務が発生しているにもかかわらず、それを意図的に果たさない姿勢。これが「サボる」の正体だ。
こう考えると答えは明白である。厳しいかもしれないが、仕事において「サボる」ことは、雇用者や監督者に反旗をひるがえすことと同義である。
「適度にサボる」などという表現も、本来あり得ない。「適度に義務を放棄する」「適度に役割を無視する」と言い換えてみれば、分かるだろう。
「三面等価の法則」から考える責任と義務
ビジネスの基本原則である「三面等価の法則」を使って、さらに解説していきたい。
この法則は、仕事には必ず「責任」「権限」「義務」の3つが同じ分だけ存在する、というもの。これらが正三角形のように釣り合っていなければ、仕事は成立しない。
それぞれの定義を明確にしておこう。
- 責任(Responsibility):任された職務を全うすること
- 権限(Authority):職務を全うするためにリソース(人・モノ・金・情報)を活用する権利のこと
- 義務(Obligation):仕事の進捗状況を報告・説明する義務のこと(説明責任とも言う)
この3つを常に心掛けてもらう。部下に伝える際は、以下のように言ってみてはどうだろうか。
「仕事を任された以上は、その仕事をやり切る責任がある」
「その仕事をやり切るために、分からないことは先輩や上司に相談する権限がある」
「その仕事がやり切れるかどうか、進捗状況を報告する義務がある」
サボる社員、あるいは無責任な社員は、この3つのバランスが崩れている。
例えば慣れない仕事であれば、定時内にやり切れないこともあるだろう。それは仕方がないことだ。しかし先輩や上司に相談(権限の行使)もせず、進捗状況も報告(義務の履行)もせずに「定時になったから帰ります」と言うのは無責任すぎる。
「サボる」とは、仕事中に手を止めること、気分転換することとは違うのだ。
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